年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE113 岩をつかみそこねて流される

CASE113 岩をつかみそこねて流される

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE113 岩をつかみそこねて流される

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者はインストラクターとほかのダイバー3名と5人でボートダイビングへ。ダイビングを開始し、水深15mぐらいのところで集合。流れがあってアゲンストで泳がなければならなかったので水深19mの平らな海底で呼吸を整えるために止まろうとインストラクターが岩をつかむジェスチャーをして、ゲストに岩につかまらせた。ところが事故者は岩をつかみそこねて流されてしまった。インストラクターが気づいて追いかけたところ、海の中層、水深16mぐらいに事故者がいるのを確認。近づいて事故者を確保した際に事故者の意識がなかったために緊急浮上をして、利用しているダイビングボートに救助を求めた。
ダイビングボートに事故者を揚げ、119番通報。ほかのゲストも緊急浮上し、ボートに乗船した。ゲストの中に医師がいて酸素投与など初期処置を実施。その後、港に到着した救急車で搬送され、病院に到着。生命に異常なし、経過観察のために入院を要すると診断された。
事故者の後日談では、流されたので戻ろうと泳いだところ、呼吸が荒くなって口に水が入り、パニックとなり、水中で意識を失ったとのこと。

直接の原因漂流

対処法

流されたらすべきこと     カレントに逆らって泳いでいって、みんなで岩につかまってひと休み。そんな時にひとりつかみそこなって流される……という状況は、わりと“あるある”なのではないだろうか。少しぐらい頑張ってキックすれば近づけるのであれば近づくべきではあるけれど、10キックぐらいしてもまったく近づける気がしないのであれば、むしろどんどん流されてしまうようであれば、諦めてできるだけ近くの岩場につかまることだ。     流されて、グループの人たちが見つけられなかったのであれば、はぐれたのと同じこと。

はぐれた時は「その場に留まり、1分間待つ。それでも誰にも会えない場合は安全を確保しながらゆっくりと浮上して、海上で再会」がお約束だということを思い出してほしい。流れがある場合の決め事はもしかしたら別にあるかもしれないので、ダイビング前に絶対に確認しておこう。今回もそうだが、このインストラクターのように探しに行くから、みんなのところには行ってつかまることができなかったとしても、どこかつかまれるところをすぐに見つけてつかまっていれば、慌てて水を飲んでパニックになることはなかったかもしれない。

焦る気持ちがパニックを起こす     そもそも呼吸を整えるためにインストラクターは岩につかまることを提案したわけで、事故者は流される前から既に呼吸が乱れていたと考えられる。岩をつかみそこねてさらに気持ちが焦れば過呼吸になることは必然といえるだろう。
そのためにもまずどこかに留まって、パニックになりそうになったら行うべき行動「①STOP(止まる) ②BREATH(呼吸する) ③ACT(行動する)」を実施するように心がけよう。行動を止めれば、次第に呼吸は落ち着いてくるもの(①)。止まったままでしっかり呼吸ができることを確認してから(②)次に動き出せばいい(③)のだ。        
初期発見・初期処置に助けられる     事故者が無事で何より。運が良かっただけで、逆にインストラクターが見つけてくれるタイミングが遅かったり、船上で医師による初期処置が受けられないという事態に陥ってもおかしくはない。     まずはダイビング中は呼吸を正しくすることを心がけよう。特にアゲンストで泳ぐ場合は、体力を消耗して過呼吸になることもあるので、そうならないよう、絶対無理をしないこと。潜る前のブリーフィングで「最初は潮に逆らって泳ぐことになります」といった話があって、自信がない、不安だな、という方は、事前にインストラクターやガイドに申し出て、無理のないコースを取ってもらうことだってできるはずだ。       2022年もあとわずか。年末年始に潜る方も、新年が明けてお正月ダイビングをする方も、ダイビングは安全あってこそ楽しめるもの。事故を起こしたりトラブルに遭わないように、初心に戻って、基本に帰って、安全に潜るようにしよう。           ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。

もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。
そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。
詳しくはDAN JAPAN特集サイト


【公式】125万人ユーザーマリンダイビングWEB  

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー