
DIVING スタート&スキルアップ 2021
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
8月のある日、Mさん(50代女性)は友人ら8名およびインストラクター2名とともに、ダイビングへ。1ダイブを終えて水面休息後、2ダイブ目のエントリーを開始したときに友人と目が合い、笑った拍子にレギュレーターから海水が入った。Mさんはレギュレータークリアができずにパニック状態に。口からレギュレーターを外したのでインストラクターが速やかにレギュレーターをくわえさせ、気道を確保しながら一緒に浮上し、ボートに引き揚げて救助した。海水を飲み込んだため、病院に搬送。数日の入院加療が必要となった。
直接の原因器具の不備・取り扱い不注意 技量の未熟
レギュレーターをくわえたままで笑ったり、咳をしたり、くしゃみをすることはできる。でも、Mさんのように予期せず海水が入り込んでしまうこともある。いきなり海水が入ってきたら人間、ビックリするものだが、入ってくる可能性があることを知っていたとしたら、驚きも少ないのではないだろうか。
まず海水が入ってきたら、海水を飲み込まないようにしてレギュをくわえたまま吐き出す。
そして、パージボタンを押して、レギュレータークリアを行なう。このときも最初に押したときに海水が入り込む可能性はあるので、一気に吸い込まないようにすることがポイント。
何度かレギュレータークリアをして、海水が入り込まないようになったら、通常の呼吸に戻ればいい。
たったこれだけのことなのだが、慌ててしまうと、どんどんパニックに陥る可能性は大。
まずは何が起こっても、慌てないで対処する心構えが大切だ。