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STOP! 潜水事故
CASE103 ディープ潜水で減圧症に
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE103 ディープ潜水で減圧症に
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
【事例】
事故者は友人と共に水中撮影目的のためその日2ダイブの予定で海に出かけた。1本目はビーチエントリーで潜水時間50分強、最大深度は70m。休憩を十分に挟んだ後、2本目のダイビングを実施。2本目もビーチエントリーで潜水時間は55分間、最大深度50mだった。
2ダイブを終えた後、2名は体を温めていたが、事故者が友人にめまいと吐き気を訴えたため、ダイビングサービスのスタッフに告げたところ、スタッフが病院に連絡。医師から減圧症の疑いがあると言われ、119番通報し、ドクターヘリにより病院に搬送され、減圧症と診断された。
直接の原因
減圧症を引き起こすリスクの
高いダイビングスタイル
対処法
無謀なダイビングだった。
でも、深場の魚や生きものを撮るために今も少なくないフォト派ダイバーはこうした潜り方をしているのだと思う。事故者のバディのように何事もなく無事に戻ってきた人の武勇伝を聞いて、自分もできると思い込んで同じように潜ってしまうと、とんでもない目に遭うこともあるということを知っておくべきだろう。
ダイブコンピュータは瞬時に無減圧潜水時間を計算してくれるので、安全ダイビングのために必携なのだが、それだけでなく、減圧停止が必要な場合になると減圧停止時間を示してくれる。これがあるために「減圧停止をしっかりできるようにすればいい」と考えて、このような大深度潜水をしてしまう人もいるということなのだろう。
計算上はそうなのだろうが、そもそもレジャーダイビングは減圧停止を必要とする潜り方はNG。実を言うと筆者もダイブコンピュータが出始めた最初の頃(20世紀というかな~り前)はたとえ減圧停止が出てもしっかり停止して窒素を排出すればいいと思っていた。が、それを聞いた潜水医学の大先生にこっぴどく叱られたことがある。
減圧停止をすれば、減圧症にかかるリスクは確かに減るかもしれないけれど、レジャーダイビングでそんなリスクをおかすべきではない、ということだ。
NDL(無減圧潜水時間)内で潜っても個人差があって、減圧症にかかる人もいる。減圧症に罹患するリスクを避けるためにもNDLは10分を切らないようにするのがベストといわれていて、ましてや減圧停止を必要とする潜り方をすべきではないのだ。
またレジャーダイビングの最大水深は30mまでが推奨されており、ディープダイビングスペシャリティなどの講習を受けた、知識のある方で最大水深39mといわれている。
それなのに50m、70mとは……。
深すぎるダイビングで減圧症にかかってしまう方はこれまでにもいるし、最悪、死亡事故に至ってしまった方もいる。
それでももし撮りたいなら、ディープダイビングの知識とテクニカルダイビングをしっかり学んでから臨んでいただきたい。
この事故者は軽症で済んだとのことだが、減圧症で後遺症を残す方も実際にいる。くれぐれも無理のない、安全な無減圧潜水を守るようにしよう。
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。
DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/
〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階
バックナンバー
- CASE134 ダイビング事故の多くは水面で起きる
- CASE133 ダイビング中、耳元で何かが炸裂!
- CASE132 ボートダイビングでラダーに指を挟み大けが
- CASE131 アンカーが外れ漂流。そして行方不明に
- CASE130 他のダイバーと接触しレギュが外れてパニックに
- CASE129 水深40m超でパニック
- CASE128 振り向いたらバディがレギュを外して暴れていた
- CASE127 インフレーターが外れてパニックに
- CASE126 バディを見失いパニックに
- CASE125 二日酔いで潜ってケガ
- CASE124 オクトパスブリージングでパニックに
- CASE123 仲間とはぐれ陸で倒れていた
- CASE122 残圧確認がいい加減でエア切れ
- CASE121 ウエイト調整ができずに急浮上
- CASE120 スノーケリング中に海水を飲んで意識不明
- CASE119 【考察】ドリフトダイビングの危機対処法
- CASE118 初心者が緊張と疲労で過呼吸に
- CASE117 勝手に浮上して漂流
- CASE116 緊張すると口がこわばる癖から海水誤飲で意識不明
- CASE115 ダイビング器材の不具合が原因で溺水!?
- CASE114 セルフダイビングではぐれ…。くも膜下出血で帰らぬ人に
- CASE113 岩をつかみそこねて流される
- CASE112 トラブル続出で溺れる
- CASE111 ブイのロープに急変! そのとき
- CASE110 リーフカレントにはまり漂流
- CASE109 突然レギュレーターを外してパニックに
- CASE108 60代男性ダイバーがダイビング中に体調不良に
- CASE107 ディープダイビングで減圧症の疑い
- CASE106 大物出現!で猛ダッシュするも取り残されてパニックに
- CASE105 ダイビング中、息苦しくなり意識朦朧に
- CASE104 講習中に海水を誤飲
- CASE103 ディープ潜水で減圧症に
- CASE102 ボートと接触
- CASE101 フィンを履く時に転倒して溺水
- CASE100 エア切れで定置網に絡まる
- CASE 99 レギュ故障で緊急浮上するも
- CASE 98 エントリー後行方不明に
- CASE 97 繁忙期のダイビングでパニック
- CASE 96 バラバラにエントリーしてロスト
- CASE 95 アドバンス講習中に急浮上
- CASE 94 冬の海で体調異変
- CASE 93 短すぎる水面休息で減圧症
- CASE 92 顔色が悪かったのにダイビングを開始
- CASE91 浮上後、大波でパニックに
- CASE90 あっという間にエアを消費して…
- CASE89 久しぶりで緊張のあまり…
- CASE88 ダイビングボートが座礁
- CASE87 タンクのバルブの戻し過ぎ
- CASE86 うねりで顔面強打
- CASE85 水深28mでの水中撮影後、減圧症に
- CASE84 冷水海でフリーフローが仇となり…
- CASE83 空気がBCに入らず溺水
- CASE82 無理矢理ダイビングをして漂流
- CASE81 冬の海で意識不明に
- CASE80 ダイビング後、頭痛が止まらない
- CASE79 レギュが外れ、パニック!
- CASE78 水面移動が危ない!
- CASE77 体験ダイビングで絶対してはならないこと
- CASE76 透視度3mでバディとはぐれ、漂流
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- CASE73 潜水後ろれつが回らない
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- CASE52 突然姿を消したダイバーが水中で倒れていた!
- CASE51 大量のエアを吐き体調不良に
- CASE50 病後のダイビングで潜水病に
- CASE49 リーフカレントで戻れず漂流
- CASE48 ウエイトを1kg外したら…
- CASE47 フィンが外れて焦ったあまり…
- CASE46 エンジンがかかっているボートに接触
- CASE45 ダイビング中、差し歯が抜けた!
- CASE44 ダイビング中、呼吸困難
- CASE43 うねりで顔面強打
- CASE42 浮上後、意識朦朧に
- CASE41 タンクのバルブ開け忘れ
- CASE40 潜降中に行方不明
- CASE39 咳き込んで海水を飲み、パニックに
- CASE38 ダイビング中、低体温症に
- CASE37 カメラが岩に挟まってエア切れに
- CASE36 ダイビング中に天候急変、浮上後流される
- CASE35 フリーフローと溺れ
- CASE34 1月の海で減圧症
- CASE33 撮影に夢中になりエア切れ
- CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流
- CASE31 ドライスーツ着用でパニックに
- CASE30 フィッシュウオッチング中にパニックに
- CASE29 ダイビング中に気分が悪くなり病院搬送
- CASE28 エア切れで漂流
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- CASE26 BCに空気が入らずパニックに!
- CASE25 6月、北の海で70代女性が意識不明に
- CASE24 マスクに海水が浸入して大パニック!
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- CASE22 BCに空気が入りっぱなしになり急浮上
- CASE21 浮上したら係留していた船がいない!
- CASE20 水深35mでパニックに
- CASE19 残圧がなくなり一人で浮上し、死亡
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- CASE15 ロープ潜降で1人行方不明に
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- CASE9 ダイビング中に心停止
- CASE8 海中で咳込んでパニック→急浮上
- CASE7 浮上後、体が痺れて目の前が真っ暗に
- CASE6 ボートから逆方向に流され13時間漂流
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- CASE4 水中で迷子になり、死亡
- CASE3 持病を隠して潜水中、突然の体調不良で失神
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