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STOP! 潜水事故
CASE3 持病を隠して潜水中、突然の体調不良で失神

CASE3 持病を隠して潜水中、突然の体調不良で失神

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE3 持病を隠して潜水中、突然の体調不良で失神

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

 Cさん(男性・50代)はダイビングショップのツアーでダイビングクルーズに参加。本当はB型肝炎を患っていたのだが、体調もいいため、それを隠し、健康管理の質問書にも虚偽の申請をしていた。
ダイブクルーズの初日、チェックダイブを終えて2本目を潜っていたときに急にCさんが体調の不良をインストラクターに伝え、急きょ浮上することに。その後、Cさんは意識を喪失したため、インストラクターが同行し、病院に急搬送された。医師の賢明な治療でCさんの命は助かった。
だが、Cさんのおかげでダイブクルーズは中止になり、多大な損害賠償を負わなければならなくなった。

写真はイメージです
写真はイメージです

直接の原因虚偽の申請、病気

対処法

全責任がCさんにあるという、ある意味潔くて特殊な例である。

 海外のダイビングサービスではほぼ100%、国内でもほぼ100%、ダイビング前にメディカルチェック票を渡され、すべての設問に正直に回答しなければならないことになっている。
でも、その設問に「Yes」があると、そのために専門の医師の診断書を提出しなければならないので、程度の低い「Yes」の場合は、「No」と答えてしまう人も。
例えば最近多いのは「40歳以上の方で、喫煙の習慣がある」という項目。「Yes」と答えてしまうと潜れなくなる可能性もあるし、肺機能に問題がないという医師の診断書を求められることもあるため、「No」と書いてしまうというもの。喫煙習慣は現在は「病気のひとつ」と考えられているのだ。

 そういうわけで、Cさんを擁護するわけではないけれど、メディカルチェック票に正しいことを書かなくてはならないというのは、かなりハードルが高い作業であることは事実なのかもしれない。月刊『マリンダイビング』で連載中の大岩弘典先生が事あるごとに、 「正しく記入すべき」と訴えているが、“言うは易し、行うは難し”なのではないだろうか。

 でも、Cさんのように万が一、ダイビング中に発作が起きたり、症状が悪化したりしたら、元も子もない。みんなで正直に申請できるような、空気をつくりあげないといけないのかもしれない。

 最近の試みとしては、予約があった時点でメディカルチェック票を渡し→すぐに提出をしてもらう→問題があれば、本人に戻し→ダイビングをしても大丈夫という診断書を専門の医師から取り寄せてもらい→ダイビングサービスに提出する と、なるべく早い段階で注意を促し、潜ってもいい状態であることをダイバーもダイビングサービス側も納得できるように準備するということが行なわれている。

 それにしても、Cさんが駆け込んだ病院での支払い、Cさんが急病となったために中止したダイブクルーズでの他のゲストへの補償など、かかる金額の大きさも莫大だ。
明日は何が起こるかわからない。だから人間、正直に生きていかなければならないということなんだろう。

皆さんもメディカルチェック票の回答は正直にお願いします。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

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