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STOP! 潜水事故
CASE68 助けてくれたバディが事故に

CASE68 助けてくれたバディが事故に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE68 助けてくれたバディが事故に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者(50代男性)はバディとともにビーチエントリーでダイビングを開始。
水深5mぐらいでダイビングを楽しんでいたところ、バディが過呼吸状態になったことから、事故者が援助し落ち着かせようとしたが、状況が改善されなかった。いったんダイビングを中止し、浮上を開始。
バディは水深2mの岩場で休んで呼吸を整えていたところ、事故者の姿が見えなくなった。
不安に思い始めた頃、上方からフィンが落下してきたのでバディは水面に浮上し、付近を確認したところ、仰向けで海面に漂う事故者を発見した。
付近にいたほかのグループのダイバーが駆けつけてくれ、事故者に人工呼吸を実施しつつ陸に揚げ、到着した救急車により病院に搬送。医師により蘇生処置が施されるも死亡が確認された。

直接の原因体調の異変
もしくはエアエンボリズム

対処法

この事故はかなり前に起きたものなのだが、近年の潜水事故でもダイバーの突然死が少なからず起きている。
事故者はダイビング歴10年以上のベテランだが、50代というシニア世代初期の方。日常生活では何の問題がなくても陸上でも突然、心臓疾患や脳梗塞などで倒れることが増えてくる年代である。ダイビングでこうしたことが起こるのもあり得ない話ではない。

事故の状況をバディである同行者は見ておらず、死亡後解剖もされていないので、原因が解明されていないのだが、
死に至る事故となってしまった理由は、陸でも起こり得る体調の急変・異変か、もしくは同行者を浮上させる時に事故者自身の浮上速度が急激になり過ぎてエアエンボリズム(空気塞栓症)になってしまったか、ではないかと思う。

まず後者が理由だと考えるとすると……水深5mというと、とても浅くて初心者でも安心なのだが、水深の変化による肺内のガス体積の変化が非常に大きいため、浮上がとても速くなってしまうと、一気に肺内ガスの体積が大きくなり、肺が破裂してしまう危険がある。
安全停止を終えて水面に浮上する際に、特に浮上速度に気をつけなければならないのは、そうした理由から来ている。とにかく1分間に9mの浮上速度を守ってゆっくりと浮上することが大切だ。

次に前者の体調の異変が理由だとすると、特にシニア世代は①日頃から日常生活で体調を整えておくこと ②ダイビング直前の準備運動や、冷水温対策をしておくこと などいくつか対処法はある。

①の日頃から体調を整えておくというのは、高血圧や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病などにかからない
ようにすること、万が一かかってしまったら医師に診てもらってコントロールされた状態を作っておくこ
と。また睡眠も十分にとること。

②については、ダイビングは気温と水温の温度差がある場所へ行くことが多い(特に冬の期間は)ため、準備運動をして心肺機能を高め、体を動かしておくこと、エントリー前に顔を海水や水道水で洗うなどしておくことで、かなり事故予防になることが知られている。また暖かいスーツを着ること、フードやグローブ、防寒用ソックスなどを着用して頭、手足から熱を逃がさないようにすることも重要な対策となる。

日本近海では12月頃から水温がかなり下がってくるので、くれぐれも防寒をして、体にやさしいダイビングを心がけていただきたい。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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