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STOP! 潜水事故
CASE118 初心者が緊張と疲労で過呼吸に
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE118 初心者が緊張と疲労で過呼吸に
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
【事例】
事故者(女性)はダイビングツアーに参加し、午前中1本目にビーチエントリーでダイビングを開始。 中性浮力がうまくとれず、他の人から遅れをとり精神的に疲労を覚えていた。
昼食休憩後、水面休息時間を2時間半以上とったところで2本目のダイビングを開始。
事故者は1本目の疲労と緊張がとれないままダイビングを続けていたがエントリーしてから20分後、水深9mで息苦しさから過呼吸となり、ガイドにサインを出して浮上を開始した。 減圧症を危惧するガイドが駆けつけ浮上速度を抑えながら浮上。 海面浮上直後、事故者は意識を失い呼吸がなくなったため、ガイドが人工呼吸を実施。 周囲のダイバー3名の協力を得て曳航していたところ、事故者の意識と呼吸は回復した。
その後、事故者は病院に搬送。 両肺に海水が入っていて誤嚥性の肺炎と診断され、4日間の加療入院となった。
直接の原因過呼吸
対処法
この事故はダイバーとして考えさせられることが多いが、引率をしているガイドやダイビングツアーを開催している事業者にもよく考えてほしい案件だ。
【ダイバーとしての対策】
◎泳ぐペース
まず事故者が1本目で他の人から遅れをとって、休憩中に疲労を感じていたとある。
他のダイバーが疲労を感じていないのであれば、事故者の体調管理や体力づくりに問題があったことになる。でも年齢も関係していて(事故者は50代)、体力が衰えていた可能性もある。
他のメンバーが事故者のペースに付き合うのはどうなのか?と思う方もいるかもしれないが、ダイビングの原則は「一番遅い人に合わせる」こと。速く泳いで目的地に行くのではなく、ゆっくりと楽しみながら目的地に行くように心がけたい。また速く進んだとしても、見える範囲内で待ってあげるようにしたいもの。特にバディを組んだ方は一緒にゆっくり進むことが重要だ。
◎自己主張も大事
事故者はおそらく周りの人たちに迷惑をかけたくないばかりに頑張ってしまったのだろう。
でも、ダイビングは安全第一。1本目のダイビングの際に水中でガイドに「もう少しゆっくり進んでほしい」と伝える必要があったのではないだろうか。それができなかったのであれば、休憩中に「ゆっくりしてほしい」と訴えるべきだったのではないだろうか。
◎日頃の体力づくりを
疲労で潜って、それがストレスになって緊張して、そして過呼吸になるというケースは起こるべくして起こった事故ともいえる。
他の人に迷惑をかけたくないというのであれば、日頃からウォーキングやジョギングなどをして、体力をつくっておくことも必要。本格的な筋トレは必要はないけれど、ある程度の筋肉も必要なので、泳いだり、簡単な筋トレをしたりしておくのもいいだろう。
【ガイド、事業者の対策】
◎泳ぐペース
一般のダイバーならともかく、ガイド、インストラクターのプロであれば、泳ぎが一番遅い人のペースに合わせて行動するのが鉄則。 コース取りのプランニングに間に合わせようとズンズン進む方が見受けられるけれど、それはNGだ。
もしそれができないなら、最後尾にもガイドを付けて、フォローできるスタッフを置いておいてほしい。 それだけで、泳ぐのが遅いゲストの緊張や疲労は軽減できるのではなかろうか。
いずれにしても、事故者への対応が良かったので、この方は入院で済んだが、下手をすると死亡事故にもつながりかねないケース。 このガイドさんらは日頃から緊急事態の救助法を練習されていたのだと思うけれど、とっさの時にすぐに対処できるよう、これからもトレーニングは欠かさないでほしい。
暦の上では夏。ダイビングに出かける方も多いと思うし、それを受け入れる事業者もたくさんいると思う。 今一度、基本に帰ってダイビングに臨んでくださいね。
ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。
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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
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DAN JAPAN
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A-PLACE馬車道9階
バックナンバー
- CASE132 ボートダイビングでラダーに指を挟み大けが
- CASE131 アンカーが外れ漂流。そして行方不明に
- CASE130 他のダイバーと接触しレギュが外れてパニックに
- CASE129 水深40m超でパニック
- CASE128 振り向いたらバディがレギュを外して暴れていた
- CASE127 インフレーターが外れてパニックに
- CASE126 バディを見失いパニックに
- CASE125 二日酔いで潜ってケガ
- CASE124 オクトパスブリージングでパニックに
- CASE123 仲間とはぐれ陸で倒れていた
- CASE122 残圧確認がいい加減でエア切れ
- CASE121 ウエイト調整ができずに急浮上
- CASE120 スノーケリング中に海水を飲んで意識不明
- CASE119 【考察】ドリフトダイビングの危機対処法
- CASE118 初心者が緊張と疲労で過呼吸に
- CASE117 勝手に浮上して漂流
- CASE116 緊張すると口がこわばる癖から海水誤飲で意識不明
- CASE115 ダイビング器材の不具合が原因で溺水!?
- CASE114 セルフダイビングではぐれ…。くも膜下出血で帰らぬ人に
- CASE113 岩をつかみそこねて流される
- CASE112 トラブル続出で溺れる
- CASE111 ブイのロープに急変! そのとき
- CASE110 リーフカレントにはまり漂流
- CASE109 突然レギュレーターを外してパニックに
- CASE108 60代男性ダイバーがダイビング中に体調不良に
- CASE107 ディープダイビングで減圧症の疑い
- CASE106 大物出現!で猛ダッシュするも取り残されてパニックに
- CASE105 ダイビング中、息苦しくなり意識朦朧に
- CASE104 講習中に海水を誤飲
- CASE103 ディープ潜水で減圧症に
- CASE102 ボートと接触
- CASE101 フィンを履く時に転倒して溺水
- CASE100 エア切れで定置網に絡まる
- CASE 99 レギュ故障で緊急浮上するも
- CASE 98 エントリー後行方不明に
- CASE 97 繁忙期のダイビングでパニック
- CASE 96 バラバラにエントリーしてロスト
- CASE 95 アドバンス講習中に急浮上
- CASE 94 冬の海で体調異変
- CASE 93 短すぎる水面休息で減圧症
- CASE 92 顔色が悪かったのにダイビングを開始
- CASE91 浮上後、大波でパニックに
- CASE90 あっという間にエアを消費して…
- CASE89 久しぶりで緊張のあまり…
- CASE88 ダイビングボートが座礁
- CASE87 タンクのバルブの戻し過ぎ
- CASE86 うねりで顔面強打
- CASE85 水深28mでの水中撮影後、減圧症に
- CASE84 冷水海でフリーフローが仇となり…
- CASE83 空気がBCに入らず溺水
- CASE82 無理矢理ダイビングをして漂流
- CASE81 冬の海で意識不明に
- CASE80 ダイビング後、頭痛が止まらない
- CASE79 レギュが外れ、パニック!
- CASE78 水面移動が危ない!
- CASE77 体験ダイビングで絶対してはならないこと
- CASE76 透視度3mでバディとはぐれ、漂流
- CASE75 偽ダイバーのダイビング事故
- CASE74 指示を守らず漂流
- CASE73 潜水後ろれつが回らない
- CASE72 洞窟で迷子に
- CASE71 浮上中、異常行動
- CASE70 ツアーダイブで単独行動
- CASE69 乗っていたボートが転覆
- CASE68 助けてくれたバディが事故に
- CASE67 朝まで飲んで潜ったら
- CASE66 水中で大笑いしたら、海水が!
- CASE65 スノーケリングで溺死
- CASE64 オーバーウエイトと過呼吸でパニックに
- CASE63 母子ダイビングでロスト
- CASE62 ボートのへりから落下
- CASE61 ドライパニック
- CASE60 生活習慣病てんこもりの人が20年ぶりに潜ったら……
- CASE59 突然のめまい
- CASE58 マスク脱着訓練中に急浮上
- CASE57 潜水中にスノーケルをくわえ…
- CASE56 魔のトリプルトラブル
- CASE55 浮上後、レギュを外したダイバーに危機が
- CASE54 セルフダイブで別行動の末……
- CASE53 エグジットの際、うねりで骨折
- CASE52 突然姿を消したダイバーが水中で倒れていた!
- CASE51 大量のエアを吐き体調不良に
- CASE50 病後のダイビングで潜水病に
- CASE49 リーフカレントで戻れず漂流
- CASE48 ウエイトを1kg外したら…
- CASE47 フィンが外れて焦ったあまり…
- CASE46 エンジンがかかっているボートに接触
- CASE45 ダイビング中、差し歯が抜けた!
- CASE44 ダイビング中、呼吸困難
- CASE43 うねりで顔面強打
- CASE42 浮上後、意識朦朧に
- CASE41 タンクのバルブ開け忘れ
- CASE40 潜降中に行方不明
- CASE39 咳き込んで海水を飲み、パニックに
- CASE38 ダイビング中、低体温症に
- CASE37 カメラが岩に挟まってエア切れに
- CASE36 ダイビング中に天候急変、浮上後流される
- CASE35 フリーフローと溺れ
- CASE34 1月の海で減圧症
- CASE33 撮影に夢中になりエア切れ
- CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流
- CASE31 ドライスーツ着用でパニックに
- CASE30 フィッシュウオッチング中にパニックに
- CASE29 ダイビング中に気分が悪くなり病院搬送
- CASE28 エア切れで漂流
- CASE27 海洋実習中、海水を飲み込み、死亡
- CASE26 BCに空気が入らずパニックに!
- CASE25 6月、北の海で70代女性が意識不明に
- CASE24 マスクに海水が浸入して大パニック!
- CASE23 水深40mを潜り、減圧症の疑い
- CASE22 BCに空気が入りっぱなしになり急浮上
- CASE21 浮上したら係留していた船がいない!
- CASE20 水深35mでパニックに
- CASE19 残圧がなくなり一人で浮上し、死亡
- CASE18 ナイトダイビングで帰らぬ人に
- CASE17 フリーフローでエア切れに
- CASE16 レギュレータークリアに失敗して・・・
- CASE15 ロープ潜降で1人行方不明に
- CASE14 初めてのダイビングでパニック
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- CASE12 ボートダイビングで移動中に骨折
- CASE11 ダウンカレントにつかまり気づけば-40m超
- CASE10 エアがない!→パニックに
- CASE9 ダイビング中に心停止
- CASE8 海中で咳込んでパニック→急浮上
- CASE7 浮上後、体が痺れて目の前が真っ暗に
- CASE6 ボートから逆方向に流され13時間漂流
- CASE5 エアがなくなったダイバーに突然オクトを奪われパニック
- CASE4 水中で迷子になり、死亡
- CASE3 持病を隠して潜水中、突然の体調不良で失神
- CASE2 マスククリアができずパニック!
- CASE1 ダイビング中に息苦しくなり意識不明に