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STOP! 潜水事故
CASE5 エアがなくなったダイバーに突然オクトを奪われパニック

CASE5 エアがなくなったダイバーに突然オクトを奪われパニック

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE5 エアがなくなったダイバーに突然オクトを奪われパニック

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

友人でダイブマスターでもあるAさんに誘われ、友人5人と海外のダイビング旅行に出かけたBさん。Bさんはダイビング歴は10年と長いが年に一度、ダイ ビング旅行に出かけるぐらいで経験本数は50本ほど。毎回潜降ができなくてガイドにケアしてもらってようやく潜れるというスキルレベル。エア消費スピード もほかの4人に比べると非常に速い。2日目のダイビングの1本目に流れがややあるスポットを潜る。残圧が100を切り、水深25㍍ぐらいから浅瀬に移動し ようとするが、逆流でなかなか進まず残圧はあっという間に70に。そこにAさんがやってきて、Bさんのオクトを何も言わずに奪うようにして取り上げ、吸い だしたところ、びっくりしたBさんが手足をバタバタさせ、急浮上。AさんはBさんを押さえようとするが、Aさんを振りほどき、オクトパスも取り上げ浮上し てしまった。Aさんも残圧がほとんどなく追いかけるようにして浮上。
浮上後、Bさんは落ち着きを取り戻したものの、気分の悪さを訴えたため、減圧症の疑いがあると酸素を吸入させたところ、回復したので病院には行かなかったが、次のダイビングは休ませた。

直接の原因技量の未熟

対処法

Bさんのパニックを引き起こしたのは明らかにAさん。ダイブマスターのAさんだが、プロで働いているわ けではなく、アゲンスト(逆流)のダイビングで疲れて、消費量の多いBさんよりも早くエアがなくなってしまったのだという。それで、前にいたBさんからエ アをもらおうと、後ろからいきなり近づき、サインも送らずにオクトパスを奪ったのだ。Aさんならではのジョークのつもりだったのだが、消費スピードの速い Bさんは突然の出来事にパニックになり、急浮上してしまったというもの。  友人同士の間ではダイブマスターということで、ダイビングのスキルに信頼を置いていたAさんがそのような掟破りのことをしたために、Bさんがびっくりし たということもある。

 また、Bさんが逆流でエアの消費量が異常に速くなっているためにかなりストレスフルな、精神的に不安な状況であったことも想像できる。ダイブマスターのAさんはその辺のことも察知すべきだ。

 いずれにしても、仲間同士の悪ふざけもいい加減にしないと、大きな事故になりかねない。

 ただ、Bさんがもう少しダイビングに慣れていて、水中でも落ち着いて判断できるような精神状態であれ ば、いきなりオクトを奪われたぐらいではたぶんパニックにはならなかったはず。ちなみにオクトパスではなく、一緒に潜っているけれどバディでも何でもない 人がいきなり来て、ハンドシグナルもなしにレギュレーターを奪われたという経験を語るダイバーもいる。Bさんがいきなりレギュを奪われたら死に至る事故に もなっていたかもしれない。

 この事例から得る教訓は・・・

1)自分のエアがなくなってバディや他の人からエアをもらう場合は、必ず相手の目を見て、しっかりと「エアがない」というハンドシグナル、またはスレートなどで知らせてから、エアをもらうようにする(つまり、それだけのことをする余裕を持って、ダイビングをすべきだ)

2)Aさんのような、ジャイアンのような人はきっといる。突然オクトパスを奪われたぐらいで驚かないよう、常に平静心でいられるようにすること

3)水中で落ち着きを感じられるようになるには、ダイビングのスキルがまともにできるという裏付けがあってこそ。スキルアップを怠らないで行なおう

 皆さんは大丈夫? この夏、潜りに行く方も多いだろうが、安全にはくれぐれも気をつけよう。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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