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STOP! 潜水事故
CASE22 BCに空気が入りっぱなしになり急浮上

CASE22 BCに空気が入りっぱなしになり急浮上

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE22 BCに空気が入りっぱなしになり急浮上

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は仲間4名とともに冬の流氷ダイビングを開始。エントリー直後、なんらかの原因によりBC内に空気が入りっぱなしになり急浮上。流氷に背を当ててもがいているところを仲間のダイバーが発見。すぐに氷上に引き揚げた。事故者の意識がなかったため、仲間が人工呼吸を実施し、その後病院に搬送され入院。後遺症はなく退院できた。

直接の原因事前のチェックミス、対処の遅れ

対処法

 流氷ダイビングという特殊な環境でのダイビングには、通常のダイビングより余計に事前の準備、チェックが必要となる。
寒冷地でのダイビングとなるため、身体の自由がききにくくなることもないとは限らない。事故者のようにダイビング器材に不具合があったときにすぐに対処できないことも考えられるからだ。

 気心が知れた仲間とダイビングということで、いつもと同じようなスタンスでダイビングに臨んではいなかったか。ダイビング前に念入りに器材チェックをしたか。実際にエアを通してみて、レギュレーターやBCのインフレーターに問題がないかどうかチェックしただろうか。ドライスーツのチェックはどうだったか。

 流氷ダイビングには凍結しないレギュレーターを使用する必要があるが、同じようにBCのインフレーター、ドライスーツの給排気口も寒冷地対応のものでなければならない。
寒冷地仕様の器材を使って、なおかつダイビング直前に実際に空気を出し入れしてチェックして初めてエントリーが可能となる。

 事故者は入院したものの、無事に退院できたことが唯一の救いではあるが、楽しかったはずの流氷ダイビングツアーが台無しになったことも事実。仲間の幸せを考えたら、一人一人が責任を持って器材を準備し、チェックをしなければいけない。

 もうひとつ。

 バディシステムで潜るということは、バディに何かあったときにすぐに助けられる距離にいなければならない。でも、実際にはバディダイビングといっても、すぐに手の届く範囲にいるダイバーは意外に希なのではないだろうか。見える範囲にいればいいといったスタイルだと、こうした場合に対処が遅れることになる。

 もし手の届く範囲で潜っていたら、バディが急浮上したときにすぐに追いかけて、インフレーターホースを外してあげたり、BCの排気をしたりすることができたのではないだろうか。少なくとも流氷に背を当ててもがくという事態にまで陥らなかったのではないだろうか(流氷ダイビングなので、水深が浅く、追いつけなかったのかもしれないけれど)。

 ここまで読んでいただいた方は、「基本どおりのことをすれば良かったのでは」という結論が見えてきたのでは?  そう、ダイビングは準備からダイビング中の潜り方まで、基本どおりにすれば安全に潜れるものなのだ。たとえそれが流氷ダイビングでも。

 基本に戻って、皆さんダイビングを楽しんでくださいね。
これから流氷ダイビングに出かける方は特に事前の準備、チェックを確実に!

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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