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STOP! 潜水事故
CASE90 あっという間にエアを消費して…

CASE90 あっという間にエアを消費して…

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

ダイビングの始め方徹底ガイド(大) 潜水事故に学ぶ安全マニュアル100(大)

CASE90 あっという間にエアを消費して…

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は午前11時半頃から友人と二人でバディダイビングを開始した。12時頃になって残圧がないことに気づき、二人でオクトパスブリージングをしながら水面まで浮上して周囲のダイバーグループに大声で助けを求めるとともに、近くの岩場に向かって泳いでいたところ、事故者が急に水中に没した。友人と救助に駆け付けたダイバー1名で事故者を引き揚げ、近くにいた釣り人に救急車を要請。事故者は意識不明であったが、付近に偶然居合わせた医師と、友人および救助ダイバーの3名が蘇生処置を施したところ、海水を嘔吐して自力呼吸を始めた。その後、到着した救急車に引き渡し、病院に搬送された。

直接の原因エア切れ

対処法

残圧がなくなって初めて気づいたという例。
水深にもよるのだが、普段から30分かそこらでエアがゼロになるという空気消費量であれば、事故者が率先して潜水計画は念入りにしておくべきだったのではないだろうか。そして頻繁に残圧チェックをしておくべきだったのではないだろうか。

さらに、このエア切れが、海面移動中に事故者が水中に没してしまったことの引き金になったものと考えられる。トラブルは連鎖的に発生しがち。だからこそ予防が大切なのだ。
エア切れになるということは物理的にエアがない、潜れない(ダイビングを中止しなければならない)、海面での浮力確保がしにくい、ということになる。
海面では浮力確保は絶対重要。タンク内に空気がなければ、オーラルでBCに給気すればいいわけだが、この事故者にそれはできていたのだろうか? できていなかったから没してしまったのではないだろうか。

というのは、残圧がゼロになっても泰然としていられる人はそうそういないのではないかと考えられる。少なからずドキドキしたり、人によってはパニックに陥る場合もある。そうなるとどうしても呼吸は過呼吸気味になってくる。過呼吸気味になった人が、海面で沈みそうになりながら、口でBCに給気するというのは相当にハードな作業となる。

これを防ぐには、残圧をゼロにしないということ。

そしてもしゼロになってしまっても、焦らずにバディから空気をもらって、ゆっくり十分な呼吸をするように心がけること。水面に上がったらBCに空気を入れなければならないのだから、水面でもたっぷりオクトパスから空気を吸って、その空気でBCに給気をするようにすればいい。
慌てない。深呼吸して気持ちを落ち着ける。
これでだいぶ過呼吸は収まるはずだし、パニックも回避できるものだ。

この方は救助され、命が助かって本当に良かった。
でも、命に関わることだってあるケースでもあるので、
くれぐれも残圧確認を忘れずに。そしてパニックになる前に深呼吸を。

次回更新予定日 2020年10月21日

CASE91 浮上後、大波が来てパニックに

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