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STOP! 潜水事故
CASE26 BCに空気が入らずパニックに!

CASE26 BCに空気が入らずパニックに!

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE26 BCに空気が入らずパニックに!

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は友人2名とともにダイビングをした後、海面に浮上した。浮力を得ようとしたが上手く入らず、慌てたために海水を飲み込んで気を失ってしまった。
異変に気付いた友人が付近の岩場に引き揚げ、救急を要請。病院に搬送され命をとりとめた。

直接の原因溺れ、パニック

対処法

 ダイビング事故の多くが実は水中ではなく、水面で起きたものだといわれる。その大半が「溺れ、溺水」だ。
一方で、事故を起こしそうになって未遂に終わった人の多くが、「浮力を確保できたから」という事実がある。
今回紹介している事例を見ると、「水面で」起きていて「浮力確保ができなかった」ことが最大の要因だということがわかる。つまり、私たちは何があっても 「水面で、浮力確保ができるように、対処しなければならない」。それができれば事故はかなりの確率で回避できるという理論になるはずだ。

 そんなことができるのか?

 皆さん、わかりますよね? できます。

 まずこの事故者のBCが本当に壊れていて、エアが入らなかったのか?
――という疑問が持ち上がる。ダイビングに慣れていない人がBCにエアを入れようとすると、よくやるのが、給気ボタンをちょちょっと押すだけの動作。それではエアは入らない。特に水面で給気する場合は、しつこいぐらい給気ボタンを長めに押す必要がある。2秒以上押し続けて、空気が入った音がすればこっちのもの。しっかり給気されていることになる。
この事故者はそれができなかったのではないだろうか?

 では、もし本当にBCに空気が入らなかったのだとしたら?

 インフレーターが壊れている可能性があるので、試しにオーラルで(口で)空気を入れてみよう。水面で沈みがちな状態でオーラル給気をしなければならないのなら、レギュレーターをくわえておいて、右手にレギュ、左手のインフレーターを持ち、レギュで息を吸ったら、レギュを外してインフレーターのオーラル部をくわえ給気ボタンと排気ボタンを同時に押しながら(BCの機種によっては操作が異なる)息を吹き込んでBCに給気。給気し終わったら、インフレーターホースを外してレギュをくわえ直す。これを何度もやらないとBCの浮力は確保できないのでご注意を。
このとき、バディシステムがしっかり守られていれば、バディが支えてくれるはずである。つまり、バディとしては横でしっかりヘルプしなければならない。

 BCに空気が入らないのは、ブラダーに穴が開いているからかもしれない。
その場合は、バディにウエイトを持ってもらうとだいぶ違うかもしれない。 生命の危機を感じるような状態であれば、ウエイトを捨ててもいい。タンクを捨ててもいい。とにかく浮力を確保することが一番だ。

以上のように、たとえ普通のやり方でBCに給気ができない場合でも、対処の方法はいろいろある。
「空気が入らない!」とパニックになる前に、冷静になって他の方法を考え、とにかく浮力を確保することだけを考えて行動することが、事故防止になるはずだ。

 でも、いきなりオーラルで給気となると、できない人も多い。できれば普段のダイビングで、オーラル給気の練習をしておくことをオススメする。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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