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STOP! 潜水事故
CASE 93 短すぎる水面休息で減圧症

CASE 93 短すぎる水面休息で減圧症

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE 93 短すぎる水面休息で減圧症

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は日帰りの予定で朝、現地入りをし、ダイビングサービスのガイドやゲストとともにボートダイビングを開始。スポットまで行く途中、ゲストが忘れ物をしたり、ボートエンジンがトラブルを起こしたりして1本目の開始が遅れ、エントリーしたのは11時少し前。最大水深15mで約40分間潜った。さらに12時半頃から2本目のダイビングを開始。最大水深18mで約35分間潜った。

その後、ランチを挟んでゆっくり休憩。
15時半ごろから3本目のダイビングを最大水深12mぐらいで約35分潜り、安全停止を水深5mで3分間してから浮上した。
その約5分後、ボート上で右腰の辺りから右足全体にかけて動かなくなりマヒの症状が出るとともに、しびれも訴えたため、スタッフが救急に連絡を取りつつ港へ。待機していた救急車により病院に搬送された。応急処置の後、海上保安庁のヘリコプターで別の病院へ行き、治療。減圧症と診断された。

直接の原因減圧症

対処法

ダイビングをするにあたっては、一日のスケジュールを計画する必要があるのだが、セルフダイビングでないかぎりたいていはダイビングガイドに頼りっぱなし。いわれるがままにその日のスケジュールやダイビングをこなしているのではないだろうか。
この事故者もそうだったのだろう。1本目が11:00として40分間潜ったとしたら、浮上は11:402本目が12:30頃エントリーだから水面休息時間は50分となる。
今や懐かしいダイブテーブルを引いてみると、2本目の潜水時間と最大水深は、計算上は18mなら36分間までとなり、事故者の場合、ギリギリセーフではある。でもダイブコンピュータを使用する時にもそうなのだが、体にたまる窒素の量には個人差がある。ギリギリセーフでも、人によってはアウトな場合があるのだ。

ランチは2時間半余りとゆっくり休憩したとはいえ、2本目までに体に爆弾を抱えた状態で潜ってしまったために、3本目にさらに窒素がたまって、引き金を引いた状態になってしまったのではないかと考えられる(ほかにもいろいろな要因はあるのかもしれないが)。

ダイビングサービス側としては1本目のダイビングが遅れたために、ぎりぎりのスケジュールを組まざるを得なくなってしまったのだろうと想像されるけれど、昼休憩をそんなにとるのであれば、1本目と2本目の間の時間をもっととったほうがよかったのではないかと考えられる(潮の時間帯など、休憩をとるための場所に行くためにはいろいろな都合もあるのかもしれないけれど)。

最近は中高年ダイバーの潜水事故や減圧症が多いといわれるけれど、水面休息をたっぷりとって窒素をなるべく排出することも重要なポイント。最低でもせめて1時間は水面休息時間をとるように(最大水深や平均水深が深い場合はもっと!)ガイドにもリクエストするなどして、自分の身は自分で守るようにしたい。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
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