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STOP! 潜水事故
CASE 94 冬の海で体調異変

CASE 94 冬の海で体調異変

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

ダイビングの始め方徹底ガイド トラブルに遭わない、遭っても対処できるダイバーになるために…潜水事故に学ぶ安全マニュアル100

CASE 94 冬の海で体調異変

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者はダイバー8名、ガイド1名とともに計9名で午前中1本目のボートダイビングを開始した。
2
月ではあるが水温が20℃ぐらいあるとのことで、事故者はレンタルの5mmウエットスーツにフードベストを着用してダイビングに臨んでいた。
潜ってすぐ、水深8mぐらいのところで事故者が胸を押さえて苦しがる様子を見せたため、同行していたインストラクターが事故者とともに浮上して船に揚げた。
船上で事故者の意識が混濁、呼吸や脈拍が次第に弱くなってきたために、消防に通報。船上でCPRAEDを施したところ、息を吹き返したり停止したりの状態に。港に着いて、救急車で病院に搬送された。病院で呼吸は元に戻り、経過観察のため一日入院したが、その後問題が出なかったため退院。

※前回、予告した「BCに空気が入らない!」は既にCASE83で掲載していたため、テーマを変更してお届けしています。

直接の原因体調の異変

対処法

冬の伊豆などでは気温よりも水温のほうが高く、潜っているほうがあったかいと感じることもあるけれど、それでも体温は確実に奪われていく。水中で体温が奪われる速度は、空気中より25倍も速いといわれる。
おそらくこのケースは、事故者が“薄着”だったために体温が奪われて低体温症に陥ったのではないかと推測される。そのために意識が薄れ、苦しくなって呼吸がおぼつかなくなったのではないか。
もしかしたら、ちゃんと検査をすると心臓や血管の病に軽く罹っている可能性もなくはないけれど。

いずれにしても冬のダイビングの場合は防寒が重要。自分は大丈夫だと思っていても、体はそうではなく、確実に体温が奪われていくわけで、潜る前の常識として、寒さ対策を考えておくことだ。とにかく水中では寒さを感じないように、厚手のウエットスーツに、フードベストだけでなくグローブや足先を温められるマリンソックスなどを着用したほうがいい。もっと言えば体を濡らさないドライスーツを着用したほうがいい。
ちなみにそういう意味では夏も99%、水温は体温より低いので、水中での防寒は必要だ。

特に頭、足先、指先を冷やさないように(人によっては首、手首、足首も冷やさないで、とのこと)保温を心がけよう。

なお、ベテランダイバーの方も「冬でもウエットスーツで自分はイケる!」と思っていても、加齢によって大丈夫ではなくなっている可能性も。昔はよくても残念ながら今はそうではない。自分の体力低下や老化という落とし穴に落ちないためにも、くれぐれも防寒をしっかりして、ダイビングに臨んでいただきたい。

次回更新予定日 2021年2月17日

CASE95 アドバンス講習中に急浮上

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