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STOP! 潜水事故
CASE41 タンクのバルブ開け忘れ

STOP! 潜水事故

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE41 タンクのバルブ開け忘れ

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ダイビングサークルの仲間4名とダイビングサービスのガイド2名の計6名で潜っていたAさん。
ほかのダイビングサービスとも乗り合いでボートダイビングを楽しんでいた。
午後3時頃、3本目のダイビング。ほかのゲストと一斉にボートのへりからシッティングバックロールエントリーをしたところ、Aさんがタンクのバルブを開け忘れていたことからエントリー直後に呼吸不能となり、溺れかかっていたため、ガイドがAさんを揚収。
すぐに港に戻り、救急車に引き継ぎ病院に搬送された。
命に別状はなかったものの、肺に水が入っている恐れがあったため、大きな病院へドクターヘリで搬送され、検査入院となった。
ガイド2名は、ゲストたちにエントリー前にタンクのバルブを開放するよう指示を出していた。

直接の原因バルブの開け忘れ、
呼吸不能、溺水

対処法

明らかにタンクのバルブを開け忘れたことによる事故。
ではあるが、これを読んでいる方の中にはタンクのバルブを開け忘れたことがあっても大事に至らずに済んだ方も多いのではないだろうか。

そう、バルブの開け忘れが事故につながる確率はそう高くないはずなのだ。

とはいえ、Aさんのように検査入院が必要となるまでの事故になってしまうことだってある。
何事も油断は禁物だ。
そして、ダイビングの場合、死に至ることだってあるかもしれないので、バルブの開け忘れとか、ウエイトの付け忘れとか、初歩的なミスを極力なくすことが一番というわけだ。

では、どうしたら、バルブの開け忘れなどを防げるか?

事例ではガイドは「バルブを開けるよう指示をした」と言っているが、まずガイドの指示を聞き逃さないこと。
そして、次に、バディ同士でもエントリー前に器材の装備は万全か、バルブが開いているかどうか、といった基礎的なチェックを行うことが大切。
Aさんがガイドの指示を聞き逃したとしても、バディチェックをしていれば、このような事態には陥らなかったはずだ。

また、エントリー前にゲージを見ながら実際に呼吸してみるという習慣をつけておくことも大事。
2~3回呼吸をすれば、バルブが開いていなければゲージの針は0(ゼロ)を示すはずだし、半開きの場合は、ゲージの針がびょんびょん動いてしまう。
ちゃんとタンクのバルブが開いていれば、ゲージの針は動かない。

以上のことで、たとえバルブを開け忘れていたとしても、エントリー前には判明するはずだ。

次に、万が一、バルブを開け忘れてエントリーしてしまったらすべきことを覚えておきたい。

エントリーした後に、エアを吸ってみたらエアが来ないことに驚いてパニックになりそうになるかもしれないが、そこはぐっとガマン。冷静に対処することがポイントだ。

エントリーしてすぐは、最大でも水深2~3m、ジャイアントでもそんなに深くはいかないはず。
肺の中に空気はまだ残っているはずなので、レギュレーターをくわえたまま(水を飲まないようにして)息を吐き続けながら水面に向かおう。
そして、水面に出たらスノーケルにくわえ直して(その際に、スノーケルクリアをするために水面で呼吸をする余裕があるといい)スノーケルクリアをし、以後、スノーケルで呼吸をする。
そして、素早くBCに給気して浮力を確保すること。

この一連の動作ができれば、大丈夫。
あとは、自分でタンクのバルブを開けるか、または船上にいるクルーやスタッフに手伝ってもらって、タンクのバルブを開けてもらい、呼吸を整えてから再エントリーすればいい。

Aさんはこうしたトラブルの対処法を身に付けていなかったために海水を飲み、病院に搬送されることになってしまったわけだ。
ダイビングではちょっとのミスが大きな事故にもつながるので、そうならないための準備がまずは必要。さらに、万が一、何かが起きた場合のトラブル対処の仕方も身に付けておくと、事故は防げる。

皆さんもこれを読んで、トラブルに強いダイバーになってほしい。

「STOP! 潜水事故」の読者の皆さま
事故に遭わない方法、事故に対面したときの対処法がズラリ!

潜水事故に学ぶ安全マニュアル100

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次回更新予定日 2016年9月28日

CASE 42 水中で意識朦朧に

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