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STOP! 潜水事故
CASE67 朝まで飲んで潜ったら

CASE67 朝まで飲んで潜ったら

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE67 朝まで飲んで潜ったら

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者はインストラクターとほかのゲスト5名とともにダイビングをスタートし、普通にダイビングを楽しんだ。水深5mで安全停止を35分程度実施した後、順次水面へとゆっくり浮上し、ダイビングを終了。
船に上がった後、事故者は右耳、右手甲、右肩などが傷みだしたため、すぐに近くの診療所に行き診察を受けたところ、減圧症の疑いがあると診断され、ドクターヘリにてチャンバー施設のある病院に搬送された。
診察の結果、減圧症と診断され、23日間の入院加療が必要となった。

事故者はダイビング前日ではなく、当日、午前6時まで飲酒し、2時間ほど睡眠をとっただけでダイビングに参加していた。

直接の原因飲酒、睡眠不足

対処法

2030年前のダイビングツアーでは、わりとよくある話だったように思う。本当にそういう無茶をする人も多く、それを武勇伝のように語る人も少なくなかったものだ。
だが1990年代だったかと思うが、ダイビング前の飲酒が減圧症のリスクを高める、体調不良にもつながるという科学的なデータが発表され、ダイビング指導団体が各加盟店や加盟ダイビングインストラクターに告知。ダイビング前日の飲酒を控えるように指導が入り、たいていのダイビングサービスでは前日の飲酒はほどほどにとか、ダイビングをする12時間前にはやめること、といったアドバイスがなされるようになっている。

なぜ飲酒が減圧症を引き起こすのか?については、月刊『マリンダイビング』の山見信夫先生の減圧症に関する連載を読んでいただきたいのだが、
わかりやすくいえば、飲酒によって血流がよくなり窒素が運ばれやすくなること、飲酒後は脱水症状も激しいので、減圧症のリスクが非常に大きくなるということが大きな理由だと考えられる。

事例の場合、体内にアルコールが残っていた可能性もあり、血流がかなり激しかったのではないかと思われること、事故者の脱水症状もかなり大きかったのではないか。本来なら減圧症にかかるはずのない安全なダイビング、安全な浮上を行っていたとしても、事故者には効き目がなかったということになる。

ということで、まずは前日はお酒をまったく飲まないのが理想的だが、飲んだとしても、ビール1本、または日本酒1合程度に抑えること。そしてダイビングの12時間前までには飲み終わっておくこと。
さらに水やスポーツドリンクのようなノンアルコールの飲料水を補給しておくことが必要……といわれる。

まあ、飲み始めたらビール1本で収まるはずがない……という方もいるだろうが、多く飲んでしまう傾向がある方は、時間だけは厳守するようにして(ダイビング集合が朝8時だとしても潜り始めるのが10時であれば夜10時までに……など)、あとは早くアルコール分解するウコンやヨーグルトを飲む前に摂取しておくとか、アルコール分解を促進する食べ物(肉、魚、チーズ、枝豆といったたんぱく質のものや、ネギ、ニラ、にんにくといったビタミンB1成分のものや小松菜、ブロッコリーなどビタミンCが豊富に入っているもの)などと一緒に飲むように心がけよう。
また、そういう方は、ほかの人よりも無減圧潜水時間や平均水深を保守的に潜るといった潜り方をすることも重要だ。

いずれにしても、減圧症は思いがけない場合に発症することもあるので、ダイビングをする場合は常に体調を万全に整え、睡眠をよくとって、できるだけ安全に行うことを心掛けていただきたい。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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