年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE39 咳き込んで海水を飲み、パニックに

CASE39 咳き込んで海水を飲み、パニックに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE39 咳き込んで海水を飲み、パニックに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ある年の7月、インストラクターやアシスタントなど3名、ダイビング客3名、計6名でその日2本目のダイビングを始めた。 事故者が水深21mで咳き込んでしまい、その際に海水を飲んでしまったことからパニック状態に。 水面に向けて急上昇し始めた。 これに気づいたインストラクターが事故者の急浮上を止めようと試みるも止められず、そのまま水面へ。インストラクターも事故者に付き添うように急浮上しつつ、水面で事故者を確保した。 水面に出た事故者は意識もはっきりしていて、受け答えもしっかりしていたが、口から血痰交じりの海水を吐いたため、ダイビングボートに引き上げ、119番通報。 港から救急車で病院に向かい、診察してもらったところ、入院治療が必要と診断された。

直接の原因体調管理の悪さ、技量の未熟

対処法

実はこの連載の第8回でも咳き込んで急浮上してしまったという事例を挙げたのだが、水中で咳き込んでしまうケースは意外に多い。 水中で咳をするのは潜水病のリスクが大きくなるのであまりしないほうがいいとされているが、生理現象だけにガマンするほうがツライ。咳をした途端、レギュ レーターが外れてしまうことも考えられるので、レギュレーターを手で押さえて、マウスピースをくわえたまま、咳をすればいい。 ただ、あまりにも咳がひどいとダイビングどころではなくなるので、ダイビングを中止して、通常の手段で浮上することをお勧めする。

今回の事故者の場合、咳き込んだときに海水を飲んでしまったのだが、これもまたよくあるケース。 海水が入らないようにするためにはやはり、咳が出る!と思った瞬間にレギュレーターを手で押さえておくことがポイントだ。

そして、もし海水を飲んでしまったとしたら、動揺するのをぐっとこらえて、その場にとどまって、大きく深呼吸。気持ちが落ち着くまで大きく深い呼吸をする。 とにかく呼吸を整えることだけを考えよう。

これができると、パニックを回避することができるので、急浮上をすることもなくなるはず。

陸上とは別世界の水中ではトラブルが起こらないとは限らない。 それだけに、ちょっとしたトラブルが起こっても対処できるよう、まずは落ち着いてリカバリーできるようになることが大切だ。

ところで、事故者はなぜ咳き込んでしまったのだろうか? 呼吸が乱れてとか、ツバを呑み込むタイミングがズレて咳き込んでしまうことはあるが、風邪を引いていたのではないだろうか? 最近、咳が止まらないという症状があったのではないだろうか? ダイビングでは咳風邪や鼻風邪がこうしたトラブルを起こす可能性もあるので、万全な体調で臨むようにしてほしい。自分の体調管理も、安全への大きな一歩なのだ。

さて、もうすぐ夏休み。久しぶりのダイビングに出かける方も多いかもしれないが、ダイビング器材だけでなく、自分の体調もしっかり管理して、不安を少しでも取り除いたうえで、ストレスのないダイビングを心がけてほしい。 ダイビングは安全あってこそ楽しめるもの。素敵な夏休みダイビングを!!

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー