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STOP! 潜水事故
CASE10 エアがない!→パニックに
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE10 エアがない!→パニックに
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
Cカード取得のため、インストラクター引率の下、12名で海岸へ。最初に1時間半、タンクを使用せずにスノーケルを使用した海洋実習を行ない、1時間半ほど休憩をした後、午後からタンクを装着してエントリーをした。水深10㍍でダイビング器材の慣熟訓練実習中、エントリー時には200気圧あったGさんの残圧計の示度が、100気圧に。空気の消費量が多いことからGさんはパニックに陥り、海水を飲み込み溺水した。インストラクターがこの様子に気づいて、自分のオクトパスをGさんにくわえさせて浮上し、救急車で病院に搬送。肺炎を併発する恐れがあるため入院治療の診断を受けたが、2日後、無事退院した。
直接の原因潜る前の確認の不足(インストラクター・講習生ともに)
対処法
Cカード取得講習中の事故は本来、あってはならないこと。このケースは、指導するインストラクター側と、講習生側の両方に問題があったと思われる。
【指導者側の問題点と対処案】
まず、インストラクター側でいえば、同行するインストラクターの監視が行き届かなかったこと、さらにエアの消費量についての説明が不十分だったことなどが問題点。インストラクターが1名に12名の講習生!? 詳細なことが明らかになっていないため、にわかには信じられないが(インストラクターは数名いた可能性もあるし、12名とも講習生ではなかった可能性もある)、もし1対12だったとしたら、誰もがあり得ない!と声高に叫ぶだろう。
講習ではなくて、普通のファンダイブのガイドとして理想的なのは1人のガイドに対してダイバーは最大6人までといわれるが、Cカード取得講習でいえば「1 人のインストラクターにせいぜい4人。目を離さずに面倒を見ることができ、万が一講習生が全員パニックになった際に、助けられるのはせいぜい2人だから、教えるのは2人まで、が理想」と話すインストラクターが多い。
いずれにしても、安全な講習体制を立ててはいなかったのではないか。まあ、いまどきこんな大勢の講習生を教えているダイビングショップは国内にはほとんどないだろうから言うまでもないのだが、万が一のことが起きても対処できる人数で、講習に臨むべきだ。
また、もう1点、先述したようにインストラクターがエアの消費量や残圧というものについてしっかりと説明していなかったのではないかと思われる点(もしくは説明をしたにもかかわらずGさんが理解していなかったかもしれないが)。
既にダイビングをしている方ならわかりきっているだろうが、残圧が100気圧もあったら、まったく問題はない。戻るために必要なエアは十分にあるという数値だからだ。そういったことをインストラクターは教えただろうか?
【講習生側の問題点と対処法】
一方、講習生とはいえ、100気圧もあるのにパニックになってしまったのは、明らかにエアの消費量、残圧に対する知識不足。
「教わっていない」ということであれば、明らかに指導者側に責任があるのだが、通常は器材の説明のときに教わるはずのもの。また、潜る前にインストラクターやガイドから「残圧が100になったら教えてください」と必ず説明があるはず(ダイブエリアによっては残圧70で、といわれることもあるが)。
Gさんの場合、最初に200気圧あるものがすぐに100気圧に下がったなら、インストラクターに「100になった」と水中で伝えて、インストラクターやほかのダイバーとともに浮上態勢に入る、という手順を踏むべきだった。
【STOP・THINK・ACTの3ステップを思い出そう】
ダイビングの講習は、初めてのことだらけで不安でいっぱい、仕方ないことかもしれないが、それだけに何が起こっても慌てない心で臨むことが大事。ちょっとしたことで慌ててパニックになれば、Gさんのように海水を飲み込む羽目に。
このコーナーでも当たり前のことになっているが、何かが起こったときの3ステップ「STOP・THINK・ACT」を思い出そう。
・「STOP」
「STOP」は、いったんその場に止まって深呼吸。深呼吸と思っても、パニック寸前のときは浅く速い呼吸になりがちなので、意識して、深くゆっくりとした呼吸をするのがコツ。
深呼吸をすると気持ちが落ち着いてくるので、次に「THINK」。
・「THINK」
何が原因でそうなったのか、どう対処すればいいかを、考える。
考えが決まったところで「ACT」。
・「ACT」
アクションを起こす。
という手順だ。
Gさんも、まず100気圧という示度を見た瞬間に焦ったのなら、まずは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが最初に取るべき手段。
そして落ち着いたところで、どうすればいいかを考える。ベストなのは、インストラクターの目に入るところまで行って、ゲージを左手に持ってインストラクターに見せ、100気圧であることを知らせるようにすればいい。そうすれば、インストラクターが「わかった。まだ大丈夫」と知らせてくれたはず。
ということで、皆さんも3ステップをイメージして、何が起きてもパニックにならない対処法を身に着けておこう。
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。
DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
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FAX:045-228-3063
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バックナンバー
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