年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE106 大物出現!で猛ダッシュするも取り残されてパニックに

CASE106 大物出現!で猛ダッシュするも取り残されてパニックに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE106 大物出現!で猛ダッシュするも取り残されてパニックに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
ガイド1名と3名のダイバーでドリフトダイビング。目当ての大物が出たらダッシュして近づこうというブリーフィングはあったものの、途中もわりと潮がかかっていてアゲンストで泳ぐこともあり、事故者はやや呼吸が乱れていた。そんなところに目当ての大物が登場! ほかの2人のダイバーとガイドが猛ダッシュするも事故者は追い着くことができず、ほかの3人の姿が見えなくなってしまった。不安になってパニックになり、急浮上しようとしたところにガイドが戻ってきて、ケアをしてくれたおかげで急浮上はほとんどしなかった。が、エグジット後、事故者がまだ気分が悪いのが治らなかったため、病院に行き受診。特に問題はなかった。

直接の原因過呼吸

対処法

おそらくゲストの3名はガイドにとって、馴染みのあるダイバーだったに違いない。途中アゲンストの潮が入るところでも潜るということは、「無茶をする」ことを前提にしたダイビングであったのだろう。普通の安全スタイルとは逆の発想のダイビングだ。しかも「ダッシュして近づこう」というブリーフィングも、対象の生物を脅かすことになりかねないわけで環境面から考えてどうかと思う。
確かに珍しい大型生物(いわゆる大物)に会うためにはリスクを伴うこともあるけれど、無理して会いにいくことはないのでは。まずは安全が優先されるべき。事故者はパニックになって急浮上しそうなところでガイドが戻ってきてケアしてくれたから良かったものの、一歩間違えたら死に至っていたかもしれない。
ガイドはそのリスクを負ってまで無茶なダイビングをするつもりであれば、置いてきぼりになるダイバーを出してはならない。 また、事故者であるダイバーの立場としては、まず自分の状態を常に冷静に見ることが大事。アゲンストの流れに逆らって泳ぐのが辛かった時に、過呼吸気味になってしまったのだったら、最初にすべきことは落ち着いて呼吸を整えること。その際にダッシュして見に行かなければならない大物が出てしまったのだったら、ガイドやバディにいち早く自分はここにいる、一緒に行かないことを知らせることがポイントだ。
バディシステムがしっかり機能しているなら、バディはそこに一緒にとどまらなくてはならないし、ガイドはその時点で一番体力のない人についている必要があるわけだから、音を鳴らしたりしてガイドに知らせればこのようなことにはならなかったはず。
過呼吸で呼吸が乱れているうえにダッシュしてさらに呼吸が荒くなり、ましてやほかの人が見えなくなってしまったら不安でどうしたって呼吸は乱れるに決まっている。その時点でダッシュをすることが間違っているのだ。 呼吸の乱れは心の乱れ。
本来はそういって心の乱れを戒める言葉もあるけれど、心も乱れてしまうぐらい、呼吸が乱れるというのは怖いことと解釈して、まずは呼吸の乱れを治して整えることが先決。
そのためにも大きく息を吐いて、息を吸って……を繰り返して、呼吸を整えよう。        


ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。
もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。
そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。 詳しくはこちら

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー