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STOP! 潜水事故
CASE127 インフレーターが外れてパニックに
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE127 インフレーターが外れてパニックに
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
【事例】
事故者はダイビングショップのスタッフ候補として、事前研修でショップのオーナーインストラクターとスタッフと3名で午前中ビーチダイビングを実施。オーナーインストラクターとスタッフが事故者より先に泳いでいたのだが、沖合約100m、水深約13mの地点で、事故者のBCについていたインフレーターホースが根元から外れ、BCに水が入ってしまった。それが原因でパニックになったようで一人でどこかへ行ってしまった。オーナーとスタッフは周辺を探すも見つからず、エグジットして118番通報。捜索が行われたが当日は見つからなかった。翌早朝、オーナーとスタッフが捜索したところ、海底で事故者が発見され、救急で運ばれたが死亡が確認された。
直接の原因パニック、溺水
対処法
いくつかの点でとても残念な潜水事故である。避けられるはず、起こらなくてもいい事故だ。事故者のご冥福をお祈り申し上げます。
事故者がパニックに陥ったのは、BCのインフレーターホースが根元から外れ、BCに水が入ってしまったことが原因という。
そもそもインフレーターホースはダイビング中、外れるはずはない。おそらくその前のダイビングが終わってから洗う際に外して、その後しっかりと接続されていなかったのだろう。これはダイビング前に必ず行わなければならない「バディチェック」で防げるはずだ。
ダイビングに行く前に器材を確認し、バルブは開いているか、レギュレーターで呼吸はできるか、BCの給排気はできるかなど、当たり前にすべきことをしておけば、インフレーターホースがしっかりと接続されていたかどうかはわかるはずだ。もしインフレーターホースが外れやすい状態であれば、この時点で給気してもエアが入りにくかったり、インフレーターホースの根元で空気漏れを感じたのではないか。
つまり、バディチェックをするシステムがしっかりなされていれば、この事故は起きなかった。
ショップスタッフの事前研修だからと、憶測ではあるけれど、「きっと大丈夫だろう」と省かれてしまった可能性がある。でも、新人研修だからこそ、バディチェックは毎回必ずしっかりと行うべきなのではないか。ショップ側のスタンスに疑問を感じる。
「きっと大丈夫だろう」は、ダイビングにはない!と思って、皆さんも必ず行うべきバディシステムを守ってほしい。
次に、事故者のようにダイビング中にインフレーターホースが根元から取れて、BCに水が入り込んできた場合、どう対処するか?
たぶん100%近いダイバーは驚いてパニックになってしまうかもしれない。でも落ち着いて。
まずインフレーターホースは外れても、呼吸源はしっかり確保できているのだから、息はできる。安心してゆっくりした呼吸を続けること。
最初に鳴り物などでバディやインストラクターに緊急を知らせよう。自分は動き回らないほうがいい。そしてバディやインストラクターが来たら、手振りで事態を知らせ、外れたインフレーターホースをちゃんと接続してもらえばいいだけ。
どうしても接続できない場合は、一緒にゆっくりと浮上し、エグジットまでサポートしてもらおう。インフレーターホースが外れると水中はもちろん水面では浮力確保ができなくて安全ではない。必ずバディが水中でも水面でも多めに浮力を保って、沈んで溺れることのないようにサポートすることが必要となる。バディシステムを最後まで確実に行うことで事故は防げるはずだ。
今回の事故者のように、鳴り物を鳴らすことなく(持っていなかったのだろうか)、バディたちに知らせることができなかった場合はどうするか。
BCに水が入り込んでなかなか浮上できないかもしれないが、ウエイトを捨てて、水深13mからであればキック力で水面に上がるか、BCとタンク、ウエイトを捨てて、事前にエアをたくさん吸い込んでおき、器材なしの緊急アセントを(息を吐きながら)行って水面に上がるかするといい。
パニックになった場合は、毎回書いているけれど、「SBT」または「SBA」の3つの手順を行おう。
1)止まる(STOP) とにかくこれ以上気持ちが焦らないように、その場にとどまる。動きを止める。このとき、どこかに着底するか、つかまれればなおよい。
2)呼吸する(BREATH) パニックになる寸前に過呼吸になる傾向が大なので、そうならないために、深呼吸に近い、大きな呼吸(大きく吸って、大きく吐く)をして、呼吸を整える。
3)考える(THINK)または行動する(ACT) 呼吸が落ち着いて、思考力がクリアになってきたら、自分はどうすればいいのか、次にどんな行動をすればいいのかを考え、行動する。
これでパニック脱出はできる。くれぐれも落ち着いてトラブルに対処できるようにしよう。
気候が暖かくなってきて水温も高くなりつつある日本。潜る機会がどんどん増えそうだが、皆さまもくれぐれも初心に戻って、安全に楽しいダイビングを!
ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。
もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。 そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。詳しくはDAN JAPANサイトへ
ライター/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)
【公式】125万人ユーザーマリンダイビングWEB
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
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だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
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DAN JAPAN
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