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STOP! 潜水事故
CASE131 アンカーが外れ漂流。そして行方不明に

CASE131 アンカーが外れ漂流。そして行方不明に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE131 アンカーが外れ漂流。そして行方不明に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者はインストラクターとマンツーマンでボートダイビングに出かけた。ダイビングスポットでアンカリングをして、その5分後にダイビングを開始し、約40分間のダイビングを楽しんでアンカーがかかっている場所に戻って来たところ、アンカーが外れボートが流されていることが判明。二人は遠くに見えるボートに向かって泳いだが、約15分間泳いでも一向に近づかず、事故者の呼吸が激しくなってきた。そのため、インストラクターは事故者にこれ以上泳がせるのは無理と判断し、パンパンに膨らませた自分のBCを事故者に渡して、単独で泳いだ。インストラクターは約40分泳いでボートにたどり着き、アンカーを収容。エンジンをかけて事故者のいる辺りに戻った。別れてから約1時間経っていた。しかし、どこを探しても見当たらなかったため、すぐに118番通報をした。海況も悪化してきたため仲間のダイビングショップにも連絡し、捜索をお願いしたところ、1時間半ぐらい経った頃、仲間のボートが事故者を発見。港に搬送された。事故者は疲弊していたが、無事救助。

直接の原因疲労  漂流

対処法

最大の問題はインストラクター側にいくつかあり、事故者に責任はほとんどない。お気の毒でしたが、生きていて本当に良かった。

まずインストラクターがボートダイビングを行うにあたり、ワンオペ(ひとりで操船、ガイドと二役)していたこと。近年はこうした事故をなくすため、エリアごとの安全対策協議会または事業組合等で必ずボートに見張りを付けることとレギュレーションを決めている場合が多い。しかし、徹底されているわけではない場所もあるので、利用者がダイビングを申し込む際に、この点をよくチェックする必要はある。しっかりアンカリングしていれば起こらなかった事故だから、普通は大丈夫、と考えてワンオペのボートダイビングを提供している業者もいるかもしれないけれど、海という大自然のもとで遊ぶには「絶対大丈夫」はない。安全にダイビングを楽しむためには、ダイバーとしては見逃せない点だと思っていてほしい。

また、この事例のインストラクターは、決定的にアンカーを打つ場所や波・流れ・風の読み方などが間違っていた。たった40分目を離したたけでアンカーが外れて遠くへボートが漂流してしまうということが証明している。もっと腕を上げるべきだが、その前にワンオペをしないでいただきたい。

ボートダイビングをワンオペするのであれば、リスクを考えて、万が一の時のために漂流してしまった場合に水面で利用できる遭難信号発信機(ビーコンと呼ばれるセーフティグッズ)や防水ハウジングに入れた携帯電話を携行しておくべきでは。

インストラクターは事故者に膨らませたBCを持たせたとあるが、自分はボートまでBCなしで泳いだことになる。浮力はウエットスーツだけだ。よほど泳力には自信があるのだろうが、事故者のBCを膨らませて浮力を確保し、ボートダイビングの際に持っているべきセーフティフロートを上げさせるべきだったのでは。そうすればもう少し早く見つかった可能性は大きい。おそらく二人とも携行していなかったから使えなかったのだろうが、どんな海であろうと、どんなダイバーであろうとボートダイビングには一人1個セーフティフロートを必携する! ということを守っていただきたい。これは事故者にもできることなので、覚えておこう。

以上のように今回の事故はインストラクターの瑕疵が何点も挙げられるのだが、最後に事故者として心しておきたいのは、命を守るためにも、海上に上がったら浮力を確保すること、決してあきらめないこと。そしてできれば、こういう事故が起きる可能性は今後もなくはないので、体力をつけておくこと。

これからダイビングを楽しんでいただくためにも、ダイビングショップやダイビングサービスを選ぶポイントを再確認すること、そしてセーフティフロートの携行など、自分ですべきことを今一度確認してほしい。備えあれば憂いなし!   ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。

もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。 そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。詳しくはDAN JAPANサイト

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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