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STOP! 潜水事故
CASE139 バディダイビングで体調急変

CASE139 バディダイビングで体調急変

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE139 バディダイビングで体調急変

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者は友人と2名でダイビングをするためにダイビングエリアへ。10時前にビーチダイブでエントリーし、30分以上経ったところで事故者が友人に対し、苦しいため浮上するとの合図を送り浮上し始めた。水深約7m、ビーチの沖合約70mの地点だった。友人も追って浮上したところ、事故者が苦しいので陸に戻りたいと申し出たため、友人は事故者にタンク(シリンダー)につかまるように指示を出し、陸に向かって泳ぎ出したがおよそ1分後、タンクに事故者がつかまっているような感じがしなかったため、振り返ると、事故者は水面に仰向けになっていて意識がない状態だった。友人はそのまま陸まで搬送し、水面で泳ぎ出してから約30分後に119番通報を行い、事故者が心肺停止状態だったためCPR を行った。その後、事故者は救急隊により搬送されたが、同日病院にて医師により死亡が確認された。

直接の原因不明

対処法

近年、ダイビング中の体調不良による事故がとても増えている。そしてその多くが死亡に至っている。特に40代以上の中高年ダイバーの事例が多いと海上保安庁やDAN  JAPANの報告にもある。ただし、実際には年間の事故者数は40人前後で死亡率は20~40%といったところで、年間にダイビングをする人の数を考えると、ダイビングの事故率は10万人に1人程度ではある。だから、むやみに怖がる必要はないのだが、急な体調異変が起こらないよう、日頃から体調を整えておくことと、特にダイビング前は睡眠をよくとり、体調を整えておくことが必要だ。

今回の事故事例では「友人」ダイバーもとてもよく頑張ったと思うが、事故者が海面で仰向けで意識がなくなっていたところからCPRをスタートさせることができていたら、蘇生率が上がったはず。でも海面で実施するのはプロでもとっても大変なことなので、周囲に人がいるようであれば応援を呼び、とにかく早く陸に上げることを考える。70m余りの距離で陸に上がって通報するまでに30分ほどかかったというのは、時間がかかり過ぎている。実際に一人で行えばそれぐらいかかってしまうことも否めないが、誰かを呼べなかったのだろうか。残念でならない。早く陸に搬送できれば、あとはCPRを徹底的に行う。そして周りの人に救急車等の要請をお願いする。そうすれば蘇生率は上がるだろう。

また、通常のダイビングエリアのビーチダイブで周りに人がいないことはあまり考えられない。それができないような、誰もいない秘境のような海で潜ることは、安全面を考えると、やってはいけないことになる。もしやるとすれば、携帯電話がすぐに使えるようにするなど、緊急時の対処法もあらかじめ準備しておく必要がある。このことも心してバディダイブを行うようにしよう。

最後に、皆さんにもすぐにできるのが、万が一のことにいつでも備えられるように「レスキューダイバー」の資格を取ること。レスキューダイバー・コースを受けることにより、トラブルの対処法を知識として、スキルとして学ぶことができる。また、このコースを受けるためにはEFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)などのプログラムを修了しておかなければならない。消防署でも実施している救命講習や応急手当コースなどにも同じコースがあり、日常の生活にも役立つこともあるだろう。

ダイビングを楽しむためにも、普段から体づくりをしたり、知識やスキルをつけるなど、できることはやっておきたい。


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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
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