年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE141 急に吐き気を催し急浮上

CASE141 急に吐き気を催し急浮上

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE141 急に吐き気を催し急浮上

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者を含むファンダイビング参加者5名、ガイド1名とアシスタント1名は、ビーチエントリーでダイビングを開始。潜降後、全員で海底の魚をウオッチング。その後ガイドが移動の合図を送った際に、事故者を含め全員がOKサインを返したため、次の場所へ移動した。が、10秒も経たないうちに事故者が海面を目指して急浮上。アシスタントが事故者を追って浮上したが、事故者のスピードが速く海面に出てしまった。が、再び沈んでいった。アシスタントが追い着けていなかったため、ガイドが異常を感じて接近したところ、事故者が口からレギュレーターを外していて、マスク内に吐しゃ物があり、意識がない状態。ガイドは事故者にレギュレーターをくわえさせパージボタンを押して空気を出しつつ、海面まで事故者を引き上げ、付近のダイバーに助けてもらい、海岸まで搬送した。その後、119番通報を受けた救急隊により事故者は病院に搬送された。
その後、回復した事故者によると、ダイビング中に気分が悪くなって吐いてしまったことからパニックになったとのことだった。

直接の原因パニック

対処法

おそらくダイビング中に吐き気を催したことのあるダイバーは少なくないのではないか。水中で吐いていいのか? ダイビング中レギュレーターを外してはいけないから吐いてはいけないのではないか? などよく質問されることがある。水中で吐くのはOKだ。マナーとして、場所をわきまえる必要はあるけれど、吐くことに問題はない。

吐くときはレギュレーターをくわえたままパージボタンを押しながら吐く。吐き終わった後もパージボタンを何度も押して、レギュレーター内をきれいにする必要はあるし、ダイビング後よく洗浄する必要はあるけれど。

レギュレーターが詰まるのではと心配な方は、必ずレギュレーターを手に持ったまま、口からレギュを外して吐く。吐き終わったらすぐに再びレギュレーターをくわえて呼吸を開始する。吐いている間は息を吐いているのと同じことなので、再びレギュレーターをくわえて呼吸をすればいいだけ。このときにすぐにレギュレーターをくわえられるよう、吐いている間もレギュレーターを確保しておこう。 こうしたことを知っているだけでも、事故者のようにパニックになる必要はなくなるはずだ。
事故者のマスクに吐しゃ物が入っていたともあるが、マスククリアをすればいいだけ。

ダイビング中は何が起きても、慌てずに冷静に対処していけば事故に至るはずがないのだ。トラブルが起きてパニックになるより、この連載などで事故例と対処方法を頭に入れておいたほうがいい。

ちなみに、事故者はトラブルが起きたときにバディにも何もいわずに浮上してしまったようだが、これもNG。必ず何か問題が起きたらバディに知らせること。バディが近くにおらず伝えられない場合はガイドやアシスタントに知らせるようにすればいい。いずれにしてもバディとのコミュニケーションも大切にしながらダイビングに臨んでいただきたい。

また、そもそも吐き気を催すということは当日の体調がいつもどおりではないとか、事前に食べたものがよくないといったこともあったはず。ダイビング前には体調を十分に整えておこう。

この事例は、事故者が気を失ったために搬送されることになったが、これに似た未遂のトラブルは意外に多いのではないかと推測できる。それを回避するためにも、水中では落ち着いて行動することを心がけてほしい。

いよいよ夏本番。海に出かけるダイバーも多くなってくると思うが、皆さん、初心に帰って、基本に忠実にダイビングを楽しんでくださいね!


ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。

もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。 そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。詳しくは
DAN JAPANサイト

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー