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STOP! 潜水事故
CASE36 ダイビング中に天候急変、浮上後流される
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE36 ダイビング中に天候急変、浮上後流される
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
ある年の3月のこと。
午後、事故者がビーチダイビング中、ダイビング終了間際に天候が急変。
エグジットポイントで水面から顔を出してみると激しい風と波で、ガイドやほかのダイバーは何とか上陸したが事故者はあっという間に40mほど流されてしまった。
流された先は入り江状になっていて、風や波をよけるにはよかったのだが、救助に行くにはかなり大変な場所だった。
陸上に上がったガイドは救助を要請。
どこに流されているかがわかっていたので、救助のために向かった2名のダイバーはすぐにその場所にたどり着く。
事故者にライフジャケットを着用させたところ、波にさらわれ、事故者は助けに来たうちの一人とともにさらに待機していた入り江から約150m先の岩場の海岸線に流されてしまった。
岩場に昇って助けを待っていたところ、海上保安庁のヘリに吊り上げられ、救助された。
もう一人の救助者は、その入り江にとどまっていたところを救助隊に助けられた。
当日は、天候が急変することを見越して午後のダイビングを休止しているダイビングサービスが多かったのだが、わずかなダイビングサービスが潜っていたという。
直接の原因漂流
対処法
漂流というより、これは「流された」ということで漂ってはいないわけだが、命があって何よりだった。
岩場の上に上がれたので、結果的には探しやすかっただろうし、体力も水に浸かっているよりは使わずにすんだのがよかったのだと思う。
さて、ここは“対処法”を語る場ではあるけれど、事故が起きる前に、私たちダイバーは常に「事故を起こさないために」“対策”を練ることを考えていなければならない。
多くは器材の点検、スキルアップなどで防げることが多いが、天候・海況の急変に関しては、ダイバーももちろん気をつけるべきではあるものの引率するガイドやインストラクターの責任に負うところが多い。
特にこの日はほかのダイビングサービスでは午後に風が強くなり荒れることを知っていたのに、事故者を引率したガイド(またはダイビングサービス)は知らずに、もしくは無視して潜っていたことになる。
ほかのダイビングサービスが潜らなかった理由は「この季節、こういう気圧配置だと、荒れる可能性が大」
「地元の漁師にボートを出してもらっているが、午後は荒れるからやめたほうがいいと助言された」といったものが挙がっていた。
そうした危険があることを知りながら潜ったのだとしたら、大問題。
でも、周りに現地の海事情に強い人が誰もいなかったのだとしたら、それはそのダイビングサービスを使うゲストが不幸である。
というわけで、ゲスト側である一般ダイバーとしてはダイビングサービスの選び方も慎重にしていただきたいと思うわけで、
ポイントとしては・・・
・ダイビングサービスとしての経験が多い、長い
・安全にダイビングをしていたという実績がある
・新しいダイビングサービスの場合は、現地でのガイド経験が長いスタッフがいる
・適正価格でのサービス提供 ・安さを追求しているなら、安くしている分の企業努力が見られる
・ガイド1名に対してのゲスト数は少ないに越したことはない。少人数制をうたっている
といったところだろうか。
この事故は、ダイビングサービス選びも、われわれダイバーの安全対策の大事なポイントということを改めて考えさせられる事故だったと思う。
対処法で反省すべき点は、セーフティジャケットを付けて流されたとある。
浮力を確保するという発想自体は決して悪くないのだが、BCで良かったのではないか?
セーフティジャケットを着用する際に、入り江の外から出ないように、気をつけるべきだったのではないか? という点が反省として残る。
でも、ほかの場所に流されても、岩場に昇ったという点で、救助がしやすくなったのだと思う。
万が一流されたら、いろいろな状況変化に応じて、さまざまな判断が必要となる。
選択肢の中から常にベストな対処法が選べるように、時々シミュレーションをしてみてほしい。
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。
DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
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バックナンバー
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