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STOP! 潜水事故
CASE 98 エントリー後行方不明に
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE 98 エントリー後行方不明に
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
事故者は夫とインストラクターの3名でボートダイビングを開始した。
最初に事故者がエントリーし、次に夫、最後にインストラクターの順にエントリー。
当日は少し流れがあったものの、透視度はそんなに悪くはなかったのだが、それぞれのエントリーのタイミングがズレたこともあり、アンカーロープの下で集合だったにもかかわらず、夫とインストラクターがそこに行くと先に潜っていったはずの事故者がいない。
事前にはぐれたら水面集合ということにしていたので、夫をアンカーロープ下に残したままインストラクターは一度水面に上がって探すも見つからず。キャプテンにも伝え船上から探してもらうことにして、インストラクター自身はまた潜って、夫にアンカーロープ沿いに浮上するように伝えた後、付近を水中捜索したが見つからず。船上に上がって、118番通報をした。
その後、付近を航行中のフェリーが漂流中の事故者を発見するも意識はなく、警察艇に揚収され病院に搬送されたが、死亡が確認された。
直接の原因体調の急変もしくはパニック
対処法
事故者死亡ということで、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
それにしてもどうして!?
似たような事故例もあるし、死亡に至らず、トラブルで終わったケースもいろいろあると聞く。
なぜエントリー直後にそのような事故やトラブルが起きるのだろう?
まずボートダイビングでのエントリーの仕方を検証してみる。
ダイビングはバディ単位ですべきことなのだが、ボートのタイプによっては離れたところで別々にエントリーすることになることもある。でも、一緒に「一斉のせ!」でエントリーできれば、まずはぐれる可能性は軽減するはずだ。
この事故者のご夫婦の経験本数や頻度までは公表されていないのだが、もしある程度ブランクがあったとすると、潜った瞬間に事故者に異変が起きたかもしれない(ただ、エントリー後、船上にいる人にOKサインを出すことが決まっているので、この時に異変があればすぐわかるはずだが)。
また、それぞれでエントリーしてアンカーロープ下に集合ということになると、それまでの少しの間かもしれないけれど、バディシステムが崩れてしまうことになる。
海況にもよるけれど、潜降もバディシステムが機能するように考えておく必要がある。例えば離れた場所であってもエントリーをほぼ同時にして、アイコンタクトが取れる距離で一緒に潜降していくことにしておけば、はぐれる心配はない。
もしかしたら潜降の時点でこの事故者は具合が悪くなって意識を失ったり、または何かのストレスを感じてパニックになって急浮上してしまったりしたことが事故につながったのかもしれない。
バディがそばにいたら、死亡事故に至ることはなかったかもしれない。
と「かもしれない」仮定ばかりで申し訳ないけれど、事故というのは、普通はすべきことをしなかったから起こることが9割以上だと思う。
久しぶりのダイビングでなくても、ベテランダイバーで今までも別々に潜って問題がなかったのだとしても、年齢に関係なく何らかのストレスでパニックになったりすることもあるし、中高年以上のダイバーであれば体調が急変してもおかしくはない。
だからこそのバディシステム。実際に潜る前に、いちいち確認して、バディシステムが崩れないように気をつけたいものだ。
あともう1点。
事故者はどこかの時点でパニックに陥ったかもしれない。または何らかのトラブルに見舞われたのかもしれない。その場合は、前回も述べたように、まずは気持ちを落ち着けてしっかり呼吸することが重要だ。
この場合は、アンカーロープ沿いに潜降していたのだったら、Stop(立ち止まる)、Breathe(呼吸する)で呼吸が整ったら、ゆっくりロープにつかまりながら浮上して水面で船に助けを求めれば、命も助かったかもしれない。
何かあった時にパニックにならずに対処できるスキルもぜひ身につけるようにしよう。
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。
DAN JAPAN
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バックナンバー
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