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STOP! 潜水事故
CASE 99 レギュ故障で緊急浮上するも

CASE 99 レギュ故障で緊急浮上するも

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE 99 レギュ故障で緊急浮上するも

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ある年の7月、事故者(40代男性)は知人と二人でビーチで午前1ダイブした後、午後から2本目のダイビングを開始。水深16m付近から事故者が緊急浮上した。バディが驚いて追いかけて水面に浮上したところ、事故者が「レギュレーターがダメ」とのことだったので、ダイビングを中止して岸に向けて泳いでいたところ、後方にいた事故者が見えなくなった。

知人はダイビングショップに戻って119番通報をするとともに、付近のプロダイバーに捜索と救助を要請。潜水捜索中のダイバーが水深16mの海底で事故者が仰向け状態で沈んでいるのを発見し、陸に揚収。ドクターヘリにより病院搬送されるも死亡が確認された。死因は潜水病。警察の捜査の結果、事故者が使用していたレギュレーターの作動不良が認められた。

直接の原因潜水病

対処法

今回の事例もまた死亡につながってしまったもの。事故者のご冥福をお祈り申し上げます。

でも、それにしても「なぜ?」と声を大にして言いたいような悲しい事故だ。

病院での診断は潜水病とのこと。この場合、水深16mから急浮上したことによるエアエンボリズム(通称エアエンボ。空気塞栓症)と診断されたと考える。急浮上によって肺が急激に膨張し、肺を傷つけてしまうもので、水面に上がってすぐはバディである知人に話せたとはいえ、その後、肺が破裂したり、気を失ったりしてしまったのかもしれない。水面に上がってから、浮力をしっかり確保できていたかどうかも今となっては気になって仕方ない。でも後に事故者が水底に沈んでいたことを考えると、BCにちゃんと給気されていなかったと考えられる。これは様々なところで述べているが、浮力があれば生きていられる確率は大きく上がるので、「浮上したら給気。インフレーターの給気ボタンを押してもダメなら口で給気!」と心しておきたい。

知人のダイバーに責任はないのだが、急浮上した事故者が視界に入らないという状況で陸に向かったのが不運だったのではないだろうか。もし視界に入る状態で一緒に泳いでいたら、体調を崩して泳げなくなっていった事故者を曳航して陸に揚げることができただろうし、自分ができなかったら、周囲のダイバーに応援を要請して手伝ってもらうこともできたかもしれない。浮力が確保できていないことがわかれば、バディが手伝って給気してあげられたかもしれない。それでも事故者は死亡に至ったかもしれないが、少なくとも姿が見えなくなって水中捜索をする必要はなかったのではないか。

いずれにしても、バディ同士でのセルフダイビングでは、こうした状況ですべきことも知っておくべきだ。レスキュー・ダイバーまで講習を受けておけば、少しは安心なのでは。

それにしても1ダイブ目はOKだったのに、なぜレギュレーターの調子が悪くなったのだろう? オーバーホールを出していたのか?が不明なのだが、もしも1ダイブ目も調子が悪いのを無理して使っていたのだとしたら、2ダイブ目は違うレギュレーターに交換するとか、方法はあったはず。1ダイブ目に兆候はなく、2ダイブ目でいきなりダメになったのだったら、バディからエアをもらって、一緒に緊急アセントをすればよかった。とっさの時にすべきことをしなかったのが命を失う結果になってしまったというわけだ。

オープンウォーター講習のときに、バディ同士の緊急アセントの手順は教わっているはず。
皆さんも時々は、思い出して、頭の中でシミュレートして、いざという時に使えるようになろう。

▶オクトパスブリージングで緊急アセントする方法

また、最近はレギュレーターやBCの故障はほとんどないはず。マイ器材であれば1年に1回、もしくは100本に1回の割合でオーバーホールに出すことを忘れずに。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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