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STOP! 潜水事故
CASE102 ボートと接触

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE102 ボートと接触

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者はダイビング仲間5名と別のツアー客3名、インストラクター2名、船長1名の計11名でボートダイビングを実施。
その日3回目のダイビングの際に船尾または両舷から一斉にエントリーしたところ、事故者がなんらかの理由で船底(船の下)に潜り込んでしまい、右舷側プロペラに接触して頭部に裂創2カ所および右耳裂傷を負った。プロペラが回転していたかどうかは不明。
事故者の異常に気付いたインストラクターの一人が事故者を確保、船上にいた船長と協力し、事故者をあげた後、全員が船上に戻り港へ向かうとともに、海上保安庁118番に連絡。ヘリと救急車の引き継ぎで病院に搬送された。事故者は外傷はあったが、軽症にとどまった。  

直接の原因ボート接触

対処法

ボートでのエントリースタイルについては、スキルアップでもよく触れられるけれど、ボートダイビングを安全に行うための常識として知っておくべきことがいくつかある。今回の事故もその一つ。

まず、講習の時に教わったことのおさらい。
基本はエントリーしたら水面に上がって、船長なりダイビングスタッフなりに安全であることを告げるサインを送ることになっている。
その場所は、ほかの人がエントリーしてくるかもしれないので、ボートから少し離れてエントリーの邪魔にならない位置から送るのが基本。覚えているかな?

サインをした後は、みんなで水面集合して、ガイドの合図で一斉に潜降というのがベーシックなスタイルである。
ただし、これは非常に特別な場合だが、流れがあるスポットでのダイビングはエントリーしたらすぐに潜降して、水深10~15m付近で集合というスタイルがある。ハンマーヘッドシャークウオッチングをする時などドリフトダイビングの場合にのみ行われるので、いつも行われるわけではない。

そして、潜降する場合は、「決してボートの下を通ってはいけない」というルールがある。
エントリー&エグジットの際、ボートはエンジンを止めておかなくてはいけないのだが、エンジンを止めてもまだプロペラが回っている状態だったりすることもあるためだ。

また、潜降がうまくできずに急浮上してしまい、船底にぶつかってしまうことも考えられるため。

このことも最初の講習で、ボートダイビングについて教わる際に同時に教わっているはずなのだが、忘れられることも多いのだろうか。または教わっても、その前のエントリーのスキルに頭がとらわれてしまって、聞いておきながらスルーしているとか、すっかり忘れてしまっているのだろうか。

いずれにしても、今回の事故は、エントリー後、ボートの下に事故者が潜り込んでしまったのが大きな原因。事故者にはボートの下に行ってはいけないという認識も少なかった(なかった)のかもしれない。
筆者も無意識にボート下に行きそうになってはよくインストラクターの方に注意をされたという記憶があるけれど、エントリー後は次にエントリーしてくる方のためにももちろん、安全面でもなるべくボートから離れること。
ただし、流れがあるからロープ(ラインといわれることも)をつかめといわれたら、たいてい船の舷に沿ってロープがわたっているので、それをつかんで潜降ロープまで泳いでいくようにしよう。

船底に潜り込まないのはエグジットの時も同じこと。
特にドリフトダイブの際は頻繁にエンジンを動かして、浮上したダイバーを迎えに行ったりするので、船底に潜り込んでいたらピックアップしてもらえないばかりか、プロペラに巻き込まれたりする危険も。
どんな時もボートの下には潜り込まない!と決めておけば、危険に巻き込まれることもない。明文化はされていないけれど、そういう精神でボートダイビングに臨んでいただきたい。

安全なダイビングを~♪

※ボート上のマナーについては
ダイビングスキル連載第17回「ボート上のマナー」をご覧ください。 ただし、今回はエントリー後のことですので、それについての記載はありません。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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