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STOP! 潜水事故
CASE114 セルフダイビングではぐれ…。くも膜下出血で帰らぬ人に

CASE114 セルフダイビングではぐれ…。くも膜下出血で帰らぬ人に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE114 セルフダイビングではぐれ…。くも膜下出血で帰らぬ人に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
40代の事故者は夫と二人でセルフダイビングを行っていたが、途中ではぐれてしまった。その後、事故者が海岸の沖合50m付近に浮いているのを通行人が発見、海岸まで引き揚げた。海が荒れていたため引き揚げるのに20分ほどかかり、その間に他の通行人が救急車を手配。事故者を引き揚げた後、事故者の夫が救急車到着までCPRを実施した。その後、事故者は救急車で病院に搬送されたが死亡が確認された。後日解剖の結果、くも膜下出血と診断された。

直接の原因くも膜下出血

対処法

事故者のご冥福をお祈り申し上げます。

とても悲しい事故だが、近年、体調の異変によりダイビング中に意識を失ったり、死に至るケースも年に何回か起こっており、増加している中高年ダイバーにとって他人事ではない。DANやダイビング指導団体PADIの安全セミナーなどでも特に40代以上の中高年でこうした潜水事故が増えていると10年以上前から話が出ていることもあり、念には念を入れて、体調管理に努めていただきたい。   ただ気になるのは、事故者が夫とセルフダイビングをしている最中にはぐれてしまった件。これが大きなストレスになって発症を早めてしまった可能性も考えられる。バディとはぐれたり、迷子になったときに落ち着いていられるダイバーはかなりツワモノだ。どうしよう?といろいろ考えをめぐらせたり、不安になってドキドキして呼吸が不安定になったりすることもある。パニックになる場合だってある。   ダイビングの安全は陸での準備が重要、事故を起こさないためには陸での準備が大半を占めるなどとよくいわれるけれど、今回の場合、ご夫婦ではぐれた時の対処法は話し合われていただろうか?

そもそも事故者の体調はふだんと変わりはなかっただろうか?   まずはぐれた場合は、ガイド付きのダイビングなら3分間とか1分間待ってガイドさんが探しに来てくれるのをその場で待つという決まり事がダイビング前に紹介される。この場合、一般ダイバー同士のセルフダイビングなので、ガイドダイビングのようにガイドが探してくれるわけではない。どちらかが1分間探すといった決まり事を話し合っておくか、もしくはそれも相当慣れたダイバーでないと危険なので、見失ったと気づいたらすぐに水面集合をするということを決めておくことが大事。   この事故は少し前のものなのだが、現在はくも膜下出血は即、死に至る病ではなくなっていて、実際に早期発見で治療を受けて治っている方も大勢いる。なので、早期発見ができて、もっと早くCPRを受けていたら、もっと早く病院に運ばれていたら、助かる命だったかもしれない。   事故者にはもう聞けないのだが、当日、体調異常があったにもかかわらず無理してダイビングをしたということはないだろうか?   こうした体調異変によるダイビングの事故にはモヤモヤさせられるることが多いと思うが、できればこの事故例のように解剖をしていただいて、死因を突き止めていきたいもの。

また、そうならないための対処法としては、定期的に健康診断を受けて自分の身体の状態を知っておくこと。維持していくために普段から適度な運動をしてダイビングに備えておくことがとても大切。

そして、ダイビング当日、体に異常を感じたら無理をせずに潜らないこと。セルフダイビングで自分がやめるとバディに迷惑がかかる……と考えるかもしれない。でもバディはそう思わせてしまうことにも気づいて、無理をさせないという決断を持つ必要もあるのでは。なかなか難しいことだと思うけれど、最悪の事態を招かないためのリスクマネジメントもよく考えてダイビングに臨みたい。

この事故事例を教訓にして、皆さんはダイビングを中止する勇気を持ってくださいね。   2023年も安全を徹底して、楽しいダイビングを!

ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。     もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。 そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。 詳しくはDAN JAPAN特集サイト


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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
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