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STOP! 潜水事故
CASE125 二日酔いで潜ってケガ
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE125 二日酔いで潜ってケガ
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
【事例】
事故者ボートダイビング前日、夜遅くまで飲酒し、当日は体調不良であった。体調管理の質問に関しては良好と答え、真実の回答はしなかった。
1本目、船尾のハシゴからエントリー。潜降ロープにつかまりながら潜降を開始したが、水深1.5m付近で吐き気を催しレギュレーターを口から外して水中で嘔吐した。その後、BCに空気を入れ浮上しようとしたところ、空気を入れすぎて予想以上に急激に浮上してしまい、その際、同船の船底に頭頂部を打ちつけ負傷した。船上にいたスタッフが事故者の負傷に気づき、船長が急いで潜って事故者を引き揚げ、応急処置を施しながら、ほかのダイバーも集めて船上に上げ、港に急行。連絡しておいた救急車が来ていて引き継いだ。事故者は長さ約5cmの裂創を負っており、病院にて傷を縫い、全治約1週間と診断された。
直接の原因頭頂部裂創
対処法
このような事故を防ぐ方法は、一言で言えば「飲み過ぎたら潜るな」ということになろう。
「飲んだら潜るな」はもちろんだが、ダイビングに行く時点でお酒が抜けていない状態だとしたら、同じこと。潜ってはいけない。
1970~1990年代には筆者を含め“ザ・昭和”なダイバーは集まれば飲むという風潮もあって、夜中まで飲む傾向もあったけれど、今やもうそういう時代ではなくなっている。飲酒がダイビングに及ぼす悪影響も科学的に証明されている(血流が増える、脱水症状に陥りやすいといったことから、減圧症のリスクが一気に高くなるなど)。
せっかくダイビングをしに来たんだから潜らなければもったいない、と具合が悪いのに無理に潜ることもNG。もったいないなら、前日に飲み過ぎるな、である。しかも、事故者を搬送するために、ダイビングをしていた他のダイバーが途中でダイビングを切り上げて、ダイビングをあきらめざるを得ない状況になっている。自分だけでなく他のダイバーにも迷惑をかけてしまうのはいかがなものか。
さて、ダイビング前日の飲酒について。アルコールを摂取してそれが分解されるまでには時間がかかることはご存じだろうが、睡眠中は肝臓も働きも低下するため、分解時間は余計にかかるといわれる。
目安としては、ビール500ml、ワイン200ml、酎ハイ(7%)350ml、日本酒180ml、焼酎(25度) 100ml、ウイスキー60mlそれぞれのアルコールの分解にかかる時間が一般成人男性で4~5時間。その量が倍になれば分解時間も倍になる。女性やお酒に弱い人はさらに時間がかかると考えられている。つまりビールのロング缶(500ml)を2杯飲もうものならアルコールが分解されるまで8~10時間はかかる。3杯飲んだら、半日以上はかかるというわけだ。
体調やその他のリスクを考えれば、ダイビングを始める12時間前までには飲酒は終えておくことが推奨される。朝10時から潜るなら、前日の夜10時までには飲酒は終了!というのが目安だ。
早朝ダイビングをする方は、飲酒は控えたほうがいいということにもなる。ダイビングに出かけるのに車を運転しなければならない場合は特にそうだ。
ところで、事故者の行動での問題点についても言及しておきたい。
水深1.5m付近で吐いた後、吐いても気持ちが悪いと浮上しようとしてBCに空気を入れたとあるが、浮上時にどうしようもなく沈んでいく傾向にある場合を除けば、BCに空気を入れるべきではない。むしろ排気するのが常識。水深の浅いところでは体積の変化がとても大きいので、空気を入れれば急浮上のリスクが一気に高まるもの。これは基本中の基本だ。なぜ事故者は空気を入れようと思ったのだろう? 酔っぱらって判断力が鈍っていたのだろうか? また、浮上時は上に障害物が何かないか、実際に上を見回して確認することも必要だ。が、まったく確認した様子はない。 案の定、事故者は急浮上しているし、浮上する際に必ず確認すべき頭上の安全も確認できていない。アルコールが抜けておらず体調が芳しくなかったことで、正しい判断ができなくなっていた可能性もある。
飲んだら潜るな。飲み過ぎたら潜るな。
くれぐれも安全なダイビングを目指していただきたい。
ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。
もしもの時を考えて対策をとっておくことはとても大事なことです。 そんな時にDAN JAPANのサポートシステムを知っておくことをおすすめします。詳しくはDAN JAPAN特集サイトへ
ライター/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)
【公式】125万人ユーザーマリンダイビングWEB
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
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だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
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DAN JAPAN
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