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STOP! 潜水事故
CASE126 バディを見失いパニックに

CASE126 バディを見失いパニックに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE126 バディを見失いパニックに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者は、インストラクターとほかのダイバーたちとダイビングを開始した。その日初めて集合したダイバーたちでバディを決め、ダイビングを開始。すると潜降直後、事故者がいなくなってしまった。事故者のバディがそのことをインストラクターに伝え、ほかのダイバーとともに海面に浮上し、陸に上がったところ、7mほど離れたところから溺れて助けを求める声が聞こえた。ただちにインストラクターとほかのダイバー数名が救助に向かうと、水深1.5mの海底にあおむけで沈んでいる事故者を発見。インストラクターが陸上に引き揚げるとともに119番通報をした。事故者は意識を失っており病院に搬送されたが翌日になっても意識は戻らず。
この日は事故者の初のファンダイビングで、グループを見失い、バディともはぐれてしまったことからパニックに陥り溺れたものと推認されている。

直接の原因溺水

対処法

ダイビングはバディ潜水が大前提。でも、バディ潜水をするためには、お互いのことをよく知って、水中での行動も把握しておかなければならない。それを可能にするにはダイビング前に十分に話し合ったり、バディ潜水の経験を積むことが必要になってくる。ファンダイブが初めての事故者にとって、その日出会ったダイバーとバディを組んでダイビングを楽しむということは、特に注意が必要だ。
知識もスキルもしっかり身につけた初心者ダイバーが、その日出会った人とバディを組んでもしっかりとバディ潜水ができているという例もいくらでもある。初心者にはバディ潜水は無理というわけではない。 大切なのは、バディとはぐれないように行動すること。初めて組んだバディの行動が読み切れないという場合は、引率しているインストラクターから離れないこと。そして、もしバディとはぐれたとしても、パニックにならずに落ち着いて行動できるように心構えをしておくことなのではないか。
また、透明度が悪くてバディが見えるのがやっと、という海洋状況の場合は特にはぐれないように行動をすること。
水中では視界が狭くなりがちで、左右に首を振って誰も見えない場合でも、体を回して見てみるとバディやグループのダイバーが見えたりすることもある。はぐれないためには、こうした探し方も必要だ。   実際、水中で一人ぼっちになると不安で心が折れそうになるし、ドキドキ心臓の音が聞こえてくるぐらい不安になることもある。心拍数が上がると呼吸数も上がり、過呼吸になってパニックに陥る可能性が大きくなってくる。それを防ぐためにも、不安になった時の3つの行動(SBTまたはSBAの法則)を頭に叩き込んでおこう。

1) STOP 行動を止める
2) BREATH 呼吸をする(ゆっくりと吐いて、ゆっくりと吸う、を何度か繰り返す)
3) THINK 次にすべきことを考える(ACT=行動する ともいわれる)

1から3を順々に行うのだが、2の呼吸は心臓の動悸が止まるまでしっかりと行うこと。苦しい場合は、吐くことを忘れている可能性もあるので、吐くことを特に意識しよう。
3の「次にすべきことを考える」は、万が一はぐれた場合にどうするかを、ダイビングの事前ブリーフィングの時にインストラクターに聞いておいて、そのとおりにすればいい。多くは「1分間待つ。待っても誰も探しに来てくれず誰にも会えなかったら、ゆっくりと水面に浮上して、水面で落ち合う」というもの。水中よりも陸上のほうが視認性が高く、エアがなくなる心配もないからだ。水面に上がってからはBCに給気して浮力を確保することも忘れずに。そうすればめったに溺れることはない。   ダイバーはバディ潜水ができるようにスキルアップをしたり、知識を得ることも大事だし、たとえバディを見失ったとしても、パニックにならないように行動することが求められる。初心者の方はもちろん、ブランクのあるダイバーも、今一度このことを頭に入れてダイビングを楽しんでいただきたい。    
ダイビングは安全が一番。でも100%はあり得ません。

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ライター/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)

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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

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