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STOP! 潜水事故
CASE140 フィン装着に手間取り呼吸が不安定に

CASE140 フィン装着に手間取り呼吸が不安定に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE140 フィン装着に手間取り呼吸が不安定に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
今回の事例は事故というより未遂の事故。事故者およびインストラクター1名を含む5名が1本目のビーチダイビングをするためにエントリー。事故者はエントリー時、フィンを履くのに手間取っていて息切れを起こしており、水面移動中に何度もレギュレーターを外して呼吸をしようとしながらも大量の海水を飲んでしまっていて、呼吸が早まっていた。インストラクターは、事故者が息苦しそうにしていて、若干血液が交じった唾液を吐いていた様子に気づいたため、ダイビングを中止し、事故者らとともに海岸へ戻った。事故者の意識は鮮明ではあったが、大事をとり救急搬送を依頼し、病院に搬送した。

直接の原因溺水

対処法

先日筆者は117段の階段があることで知られるサイパンの「グロット」を潜った。階段を降りるだけでも呼吸が速くなったが、エントリーする直前やエントリー後、同行したガイドさんが何度も何度も休みを入れてくれ、呼吸や気持ちが整うまで待ってくれたおかげで、気持ちよくダイビングができた。それで思い出したのが初心者の頃、同じようにハードなダイビングスポットで、休みなしで潜ったところ、過呼吸になってパニック寸前になったこと。

今回の未遂事故も、未遂だったから良かったものの、インストラクターが頻繁に休ませる時間をとっていれば事故者は海水を飲んだりせずに済んだのではないかと考えられる。
インストラクター側には時間を急がなくてはいけない、スケジュール管理といった理由もあるかもしれないけれど、フィンを履いて息切れした状態で水面移動を始めないで、事故者の呼吸が整うまで雑談をするなどして休ませるべきだったのではないだろうか。また水面移動のスピードはどうだっただろうか。潜降ポイントに到着した時点で事故者は血液交じりの唾液を吐いたことでインストラクターは気づいたのだろうが、もう少しゆっくりと泳いであげれば、事故者が息苦しくなることもなかったのではないだろうか。

逆に、ゲスト側から事故を起こさないためにできることを考えよう。水面移動で他の人たちを見失うことはないから、まずフィンを装着する時点で呼吸が速くなったと感じたら、速やかにインストラクターに伝えること。それと同時に深呼吸を何度かして呼吸を整える。整ったら水面移動を始めればいい。水面移動でレギュレーターを使っていたようだが、レギュレーターにしてもスノーケルにしてもしっかりと呼吸をして、スノーケルなら水が入ってきたらしっかり排水すること。レギュレーターの場合は決して口から外さないこと。こうすれば海水を飲んでしまったり、過呼吸になって気分が悪くなったりすることなく、安全にダイビングができるはずだ。

ガイドやインストラクターの皆さまも、ダイバーの皆さまも、常に安全を考えて、ダイビングを楽しんでいただきたい。


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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
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