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STOP! 潜水事故
CASE20 水深35mでパニックに

CASE20 水深35mでパニックに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE20 水深35mでパニックに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者(20代女性)は、ダイビング中、水深35mの海底に着底と同時にガイドを手招きし、ボードに「パニック」と記載。そのため浮上を開始したが、水深 15mでレギュレーターを外そうとしたので、ガイドが押さえて浮上。浮上時には気を失っていたため、ダイビング船に収容し、心肺蘇生を実施し、救急車で病院に引き継がれたが、死亡が確認された。

直接の原因パニック

対処法

 事故者のダイビング経験がわからないし、なぜ水深35mに行くことになったのか状況がわからないのだが、このような不幸な事故に至ったことは事実。事故者のご冥福をお祈り申し上げます。

 通常のエア(空気)を使ってのレジャーダイビングでは水深39mまで一応OKということにはなっているが、30m以深に潜ると"窒素酔い"になる危険性があるため、基本的には30m以浅で潜ることが推奨されている。一番の安全な方法は30mを越えないこと。

 では、30m以深のダイビングをするためには、どうすればよかったのだろう? 事故者は深く潜ることで増えるリスクを理解していただろうか? 「パニック」と自分でボードに書いたのであれば、まだその時点ではしっかりとした意識があったはず。パニックになった場合に大事な対処法~「STOP」「THINK」「ACT」の3ステップを水深15mまで浮上せず、もっと途中でできなかっただろうか?

 パニックになると呼吸が浅くなって過呼吸気味になるため、十分な酸素が脳に行き渡らなくなるもの。
いきなり浮上するのではなく、まずはその場にとどまって(STOP)、深呼吸をすることが大切。水深35mでは不安ならば、30mぐらいまで少し浮上するだけでよかったのではないだろうか。水深30mでどこかにつかまって深呼吸をして、心を落ち着け、そこから再浮上をすればよかったのではないだろうか。

 筆者も水深30mぐらいのスロープで取材中に、下げ気味のカレントに合い、しかもウエイトを重めにつけていて、BCは空気を入れても穴が開いているようで空気が抜けてしまい、浮上したくても下がっていくばかりという事態になったことがあった。当然パニック気味に。でも、海底につかまって深呼吸をしてまずはパニックを押さえた。次に肺を思いっきり広げてエアを吸って浮力をプラスにし、思いっきりフィンキックをして浮上、難を逃れた。ウエイトを捨てればラクだったなぁと反省はあるものの、まずはパニックになりそうだったら深呼吸をして、気持ちを落ち着けることが大切だと痛感したものだ。

 事故者の場合、もしつかまるところがなかったのなら、ガイドにつかまって、パニックを抑えるために深呼吸をするべきだったのではないか。

 皆さんも万が一このような状況に陥ったら、まずは海底につかまったりガイドにつかまって、深呼吸。このことを忘れないでいただきたい。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
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