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STOP! 潜水事故
CASE63 母子ダイビングでロスト
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE63 母子ダイビングでロスト
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
母と子どもでダイビングを開始したものの、開始直後にはぐれてしまい、母親が浮上した。岸に向かおうと海面を泳ぎ、付近の岩場にたどり着いた。
一緒に潜りに来ていた夫と知人がこの状況に気づき、岩場付近へと急いで向かったが、二人が岩場に到着したときには母親の姿が見当たらなかった。知人2名がその周辺の海面を捜索したところ、事故者の姿を海底水深1mで発見し、引き揚げた。事故者は口から泡を吹き、呼吸が停止している状態であったことから、119番に通報。救急車で搬送されたが、病院にて死亡が確認された。
子どもは自力で浮上し、海岸に戻っている。
直接の原因ロスト
対処法
母と子どものダイビングは、その関係性から安全面で非常に気をつけなければいけないものだ。
このケースで想定できる母子の関係はあまり良好ではなかったと思われる。
まず、無邪気で何も考えていない、ただ単におもしろいものがいたからと突っ走ってしまう子どもだったらどうか?
母親は心配して目を離せないはずなので、よほど透明度が悪い海でもない限り(そしてそんなに透明度が悪ければ、子ども自身、どこかに泳いで行ってしまうことはないはずだ)、ロストすることはおそらくないのではないだろうか。
また、子どもがまだ母親に依存する気持ちが高い場合は逆に親から離れることはないだろう。
ということは・・・
このケースでは、判断するには早急すぎるかもしれないが、
母子関係があまりいい状態ではなかったのではないだろうか。
反抗期の子どもと潜る場合や、普段からコミュニケーションがあまりない母子関係で潜る場合は
こういう事故が起きることも予測しなければならない……という例だといえる。
反抗期の子どもは親と一緒にいたくはないだろう。
少しでも隙さえあれば母親から逃げようとする傾向がある。父親も同様。
でも親はそんな気持ちがわからないので、子どもが逃げようとすればするほど焦り、追いかける。
これがダイビング、水中に持ち込まれた場合、どうなるか?
子どもはバディであることよりもまず一緒にいたくない。
だから隙を見て親から離れる。
子どもがいない! と焦った親はパニックになって子どもを探し、過呼吸に陥り、やがて意識を失ってしまう……。
こういう事故は起こるべくして起こったということになるのではないだろうか。
対処法としては母子二人きりで潜るのは避ける。
必ずインストラクターやガイド、もしくはこの場合なら知人など第三者に協力してもらって、その人たちと子どもがバディを組んでダイビングをするようにする。
こうすれば、子どもも無茶をしようなどとは思わないはずだ。
母子だから大丈夫、ではなく母子だから危険だからだ。
「うちの子に限って……」と思っている方もまだいるかもしれないけれど、
子どもが水中で行方不明になったら、あたふたするのはお母さん、あなたです。
陸上でなら子どもがいなくなってもあたふたするだけですむかもしれないけれど、
水中ではそれがストレスになり、パニックになり、死に至る……という悲しい連鎖が起きる可能性もあるということだ。命を落としてまで一緒にダイビングに挑戦する必要はない。
きっとこの事故のお子さまは後になって事の重大さに気づいたかもしれないが、
そうとなっては遅い。後の祭りだ。
家族水入らずでダイビングを楽しみたいというのも非常によいことだと思うけれど、
どうしても第三者を入れずに、家族で潜りたいというのであれば、
お子さまにもダイビング前に、してはいけないことや、
もしはぐれたら、必ず再集合する必要があることなど、命を落とすことすら考えられることなどを徹底的に説明し、理解してもらうことが大切だ。
また、万が一この場面にあなたがお母さんとしているならば、
子どもがいなくなったら心配で心配でしかたないだろうが、
とにかく自分は生きる、生き残ることを考えてほしい。
そのためにも水面に上がったら浮力を確保して、助けを待つ。
あくまでも冷静に、パニックに打ち勝って、必ず浮上してくるであろう子どもを信じる。
そういうことなんじゃないだろうか。
夏休みはファミリーでダイビング♪ というご家族も多いと思う。
円満なご家族も多いとは思うけれど、ちょっとギクシャクしているのに旅行には一緒に行く……などという場合は、くれぐれもご注意を。
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??
ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。
DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
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〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階
バックナンバー
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- CASE127 インフレーターが外れてパニックに
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