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STOP! 潜水事故
CASE120 スノーケリング中に海水を飲んで意識不明
ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。
CASE120 スノーケリング中に海水を飲んで意識不明
今回の潜水事故の原因
- バディ不遵守
- 身体拘束
- 監視不十分
- 器具の不備・取り扱い不注意
- 体調の不注意
- 技量の未熟
- 気象・海象の不注意
- エア確認不注意
- その他
【事例】
1本目のダイビングが終わった後の休憩時間中、仲間とともにスノーケリングをしようということになり、事故者はウエットスーツを脱いで3点セットを着用、スノーケリングを始めた。天気は良く、水面も温かかったが、波が少し高いという海況だった。
しばらくして事故者の姿が見えないため、仲間やダイビングスタッフらが探したところ、水面に浮かんでいる事故者を発見。意識不明で呼吸をほとんどしていなかったので、すぐに水面およびボートに引き揚げて応急処置をしたところ息を吹き返したが、泡を吹いていたため、救急搬送。一命をとりとめた。
事故者によると波が高く、スノーケルに海水が入ってきて誤飲。苦しくなって呼吸ができなくなり、意識が遠のいたとのことだった。
直接の原因溺れ
対処法
今年もスノーケリング(シュノーケリングともいわれる)での水難事故が後を絶たず胸が痛いのだが、スノーケリングほど手軽に海や海中生物を楽しめるマリンレジャーはない。正しく利用して海を楽しみたいものだ。
まず事故者は海水を飲んでしまったことが一番の問題。波が少し高い海況では、スノーケルの高さより波が高くなる可能性もあるので、どうしても海水が入りやすい状況になる。スノーケリングに慣れていないのであればそこでやめる勇気も必要だ。でも、スノーケルの正しい使い方を知っていれば、ほかの仲間のように何事もなく楽しめるはず。
では、正しい使い方とは? 最近のスキューバダイバー用のスノーケルはとても機能が優れていて、スノーケルの先端から水が入って来たとしても下から自然と排水できる画期的な排水弁がある。ちょっとやそっとの波の高さでも先端に水が入り込みにくい形状のものもある。
ただどうしてもスノーケルに海水が入ってきてしまった場合は、慌てずに息を大きく素早く吐いて、吹き飛ばす感じで排水すればいい。息を吐いてしまった後に海水が入って来ても、普通の呼吸をしていたなら息をさらに吐くぐらいの余力はあるはずだ。最悪でも、海から顔を上げて、スノーケルを外し、海水を飲まないようにして息を吸ってまたスノーケルをくわえ、勢いよく排気すれば排水が可能となる。
スノーケルに浸入してきた海水を、息を吐いて出すためには、ある程度思い切った吐き方(勢いのある排気)をしなくてはならないことも覚えておこう。ちょっと吐いただけでは、海水や水は出ていかない(排水弁の機能が高いものは例外)。ここがスノーケルの正しい吐き方のポイントだ。
心配な方は自宅のお風呂の浴槽やプールで練習しておこう。
また、事故者が浮いているところを見つかったのは不幸中の幸いともいえる。人間の体は海水に浮くようにはできているけれど、人によっては沈んでしまう場合もある。
スノーケリングをする際には、日焼けや海の刺胞生物(プランクトンなど)から体を守るためにもウエットスーツやラッシュガードなどを着て、肌の露出を防ぐ必要がある。水温は人間の体より低いので、保温の効力もある。
また、ライフジャケットを着たり、浮き輪やフロートを持ったりするなどして浮力を確保することも必要だ。ダイバーの場合はウエットスーツ着用でも浮力の確保には役立つので、事故者は脱がずにウエットスーツを着ていたほうがよかったといえる。万が一のために浮力は必ず確保できるように準備しておこう。
ダイビングの合間だけでなく、スノーケリングが主目的で海を楽しむ方も、スノーケルの正しい使い方、正しい装備をして楽しんでいただきたい。
なお、ダイビングと同様、スノーケリングを楽しむためには、体調管理も確実にして臨んでくださいね。
協力/株式会社キヌガワ
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ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
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