年間125万人が訪れるダイビング情報サイト

Marine Diving web

  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE

STOP! 潜水事故
CASE76 透視度3mでバディとはぐれ、漂流

CASE76 透視度3mでバディとはぐれ、漂流

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE76 透視度3mでバディとはぐれ、漂流

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は4人のダイバーと1人のガイドとともにダイビングを開始したが、海中視界が3mあるかないかの非常に濁った状態。潜降してすぐにバディと離れ離れになったうえ、潮流が速く、その場にとどまることも困難な状況だった。開始から10分経ったところで潜水困難と判断し、一人で浮上した。が、流れていたためにダイビングボートは見えているもののどんどん引き離されていく。自力でボートに戻るのは無理と考え、救助を待つことに。その後、救助要請を受けた巡視艇に救助された。

直接の原因漂流

対処法

春濁りや夏のプランクトン増殖による濁り、大雨による河川からの大量流入の濁りなどなど、水中は常に透明度、透視度がいいわけではない。でも、そんな時でもダイビングの講習を行ったり、ファンダイブをしたりすることだってある。また、最初に潜っている時はなんということもない、普通の透明度だったのに、潜っているうちにあっという間に前が見えなくなるぐらい濁ることだってある。

水が濁ると視界が得られなくなり、バディや一緒に潜っているグループの人たちが見えなくなることもある。まさにこのケースなのだが、安全にバディダイビングをするためにも、こういう万が一のことを考えて、バディとはぐれたら周囲を1分間探して浮上するといった対応策を潜る前に打ち合わせをしておき、実際にそれを実行する必要がある。
この場合、事故者は1名だけはぐれ、1名だけ水面に浮上し、漂流してしまったのだが、さぞかし心細かっただろう。
そもそもバディと事前に打ち合わせをしておけば、水面で落ち合うことができ、二人で漂流することになったとしても、心細さはなくなったり、二人いることでボートがすぐに見つけてくれたりと、同じ漂流をしたとしてももっと状況は良かったはずだ。

また、この時に水中ライトを持っていれば、姿は見えなくても光はまだ届いたかもしれず、バディ同士で離れてしまってもすぐに見つかったかもしれない。
透視度が低い所では水中ライトは意外に役立つものなのだ。

さらに、事故者がフロートを上げた形跡がないのだが、フロートを上げていれば、ボートにもすぐに見つけてもらえたかもしれない。

備えあれば憂いなし。
まずバディや一緒に潜るグループと、万が一迷子になった時の再集合の仕方を事前に打ち合わせをしておくこと。
そして、水中ライトやホイッスル、セーフティフロートなど、エマージェンシーグッズを他人に頼らず自分でも携行すること。

わかりきったことかもしれないが、もう一度ダイビング前に確認して、実践していただきたい。

関連連載:
CASE6 ボートから逆方向に流され13時間漂流
CASE32 エアの早い友人を先に上げてダイビングを続行し、漂流
CASE36 ダイビング中天候急変、浮上後流される

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会
TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
Email: info@danjapan.gr.jp
https://www.danjapan.gr.jp/

〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町4-43
A-PLACE馬車道9階

DAN JAPAN
  • Facebook
  • Twitter
  • はてブ
  • LINE
トップページへ戻る

バックナンバー